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新型コロナウイルス感染症の免疫持続期間(医療従事者での解析) [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
コロナウイルス感染症の免疫はどのくらいの期間有効か?.jpg
the New England Journal of Medicine誌に、
2020年12月23日掲載された、
新型コロナウイルス感染症の免疫持続期間についての論文です。

新型コロナウイルス感染症について、
現状不明な点の1つは、
一度感染した患者さんが、
どのくらいの期間免疫が持続しているのか、
言葉を替えればどのくらいの期間感染することはないのか、
ということです。

通常臨床的には半年くらいは免疫は持続する、
というように考えられていますが、
その一方で短期間での再感染事例の報告もあり、
また免疫を反映する抗体価の測定では、
感染後2ヶ月で抗体が減少する事例が多い、
という報告もあって研究結果は一致していません。

今回の検証はイギリスにおいて、
オックスフォード大学病院の医療従事者を対象とした、
個々の事例の経過を追った研究としては、
最も大規模なものです。

トータルで12541名の医療従事者に血液の抗スパイク抗体の測定を施行し、
その後の経過を観察しています。
このうち11276名は観察期間を通して抗体価は陰性で、
1177名は登録時に抗体が陽性、
88名は登録時には陰性で経過中に感染して陽性となっています。

経過観察中に登録時に抗体陰性の223名が、
RT-PCR検査で陽性が確認されました。
このうち100名はスクリーニングで発見された無症状感染で、
123名は症状のある感染でした。

登録時に抗体陽性者では2名のみが、
経過中にRT-PCR検査で陽性となり、
いずれも無症状の感染でした。

つまり、概ね6ヶ月の観察期間において、
有症状の感染は100%阻止されていて、
抗体価が陽性であれば半年は再感染は阻止されると、
そう考えて大きな間違いはなさそうです。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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