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「23階の笑い」(2020年三谷幸喜演出版) [演劇]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は土曜日で午前中は石田医師が、
午後2時以降は石原が外来を担当する予定です。

土曜日は趣味の話題です。
今日はこちら。
23階の笑い.jpg
ニール・サイモンの、
これまでにも翻訳上演されている戯曲を、
三谷幸喜さんが新たに上演台本を構成し演出した舞台が、
今世田谷パブリックシアターで上演されています。

1950年代のアメリカを舞台にしたお芝居を何故今、
というように思うのですが、
実際に舞台を観ると、なるほど、という感じがあります。

テレビのコント王とそのブレインのコント作家達が、
視聴者の嗜好の変化から人気を失い、
テレビ番組も打ち切りの危機に陥るという物語は、
日本の戦後のテレビの歴史とも一致して、
私達の身近な物語でもありますし、
その背景にある「赤狩り」の時代と政治と笑いとの対決は、
これも現代に通底するテーマでもあります。

この1時間45分ほどの笑いを交えたお芝居は、
観てみると非常に身近な世界を描いていて、
なかなかに引き込まれます。

三谷幸喜さんの演出は奇を衒ったところはありませんが、
作品への愛情の感じられる非常に丁寧なもので、
ラストのちょっとしたオチのために、
結構手の込んだ舞台チェンジを用意するなど、
なかなか贅沢な作りです。

キャストは大物コント王に、
三谷さんに抜擢されて今や堂々たる実力派俳優に成長した、
小手信也さんが演じて、
この作品の核になっています。
非常な熱演で期待にこたえたと言って良いと思いますが、
かなり鋭角で余裕はない芝居で、
コント王という存在の大きさやその愛らしさのようなものを、
表現するレベルには、
達していなかったようにも思いました。

取り囲むコント作家達は、
お馴染みのベテランから中堅まで、
華のある実力派を揃えていて、
なかなかの壮観でした。

そんな訳で三谷さんとしては、
安全運転の水準作という感じはありましたが、
ニール・サイモンへの愛に溢れた、
素敵なお芝居だったと思います。

なかなかのお勧めです。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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