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「泣く子はいねぇが」 [映画]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は日曜日でクリニックは休診です。

朝から老人ホームに呼ばれて行って、
今帰って来たところです。

休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
泣く子はいねいが.jpg
是枝裕和監督に見いだされた俊英、
佐藤快磨監督長編映画デビュー作です。

秋田の「ナマハゲ」がモチーフになり、
仲野太賀さん演じる若者が、
大人としての自覚のなさから妻と子など全てを失い、
失った家族を取り戻そうと、
奮闘する姿を描きます。

これはちょっとつらかったですね。

ラストまでともかく救いの欠片もない物語が続きますし、
主人公にあまり共感出来る感じがないので、
ひたすら傍観者的に、
つらい物語を眺めている、
というような感じに終始します。

ラストは確かにちょっと面白いセンスで、
「卒業」のラストのダーク・ヴァージョンという感じがあるのですが、
もう一押し突き抜けた感じが欲しかった、
というように思いました。

オープニングで既に太賀さんと吉岡さんの夫婦は、
仲が悪く険悪な雰囲気なのですが、
「もう限界」とか「なんで笑うの?」みたいな台詞があるだけで、
具体的に何故この2人が上手くいかなくなったのか、
という描写が何もないので、
最初から嫌な気分になるだけで釈然としません。
それ以降も同じような感じで、
「嫌な雰囲気」というものだけが延々とあって、
その展開も説明も描写としては何もないので、
物語としての膨らみを感じません。

太賀さんは熱演で代表作と言って良いと思います。
妻役の吉岡理帆さんはほぼノーメイクで、
かなりこれまでのイメージとは異質な感じを出しています。
ただ、この役は吉岡さんでなくて良いのに、
という感じは拭えませんでした。

そんな訳で結構個人的には苦痛な観賞だったのですが、
師匠の是枝監督のデビュー作「幻の光」も、
ロードショーで観て、
ともかく詰まらなくて苦痛で苦痛で仕方がなかったので、
佐藤監督もこれから大化けして、
僕はまたその不明を恥じる結果になるかも知れません。
確かに「幻の光」も、
嫌な感じの雰囲気だけが延々とあって、
台詞はボソボソと少しあるだけで、
後は自然描写だけ、という感じの映画でした。
そう思うと似ていますね。

映画は難しいと感じました。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。
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