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「ドクター・デスの遺産 BLACK FILE」 [映画]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は土曜日で午前中は石田医師が、
午後2時以降は石原が外来を担当する予定です。

土曜日は趣味の話題です。
今日はこちら。
ドクターデス.jpg
中山七里さんの「ドクター・デスの遺産」という、
刑事もののシリーズ小説が、
綾野剛さんと北川景子さんという人気者のキャストで映画化されました。

これは、どうなんでしょうかね、
独立した映画という感じがあまりなくて、
テレビドラマのシリーズ終了後の映画化か、
そうでなければ、
ドラマ開始前のスペシャル編、
という感じの作品です。

オープニングタイトルもね、
テレビドラマみたいなんですよね。
ラストもそんな感じで終わります。
特別どぎつい場面もなく、
テレビでも全然OKという感じの作りです。

実際にそうなのかも知れませんし、
ドラマの企画があったのだけれど、
コロナのためか何かで流れてしまって、
それで映画版のみが残った、
ということなのかも知れません。

詰まらなくはないのですが、
独立した映画として観ると、
かなり物足りないですし、
あまり評価は出来ないなあ、という感じの仕上がりです。

原作も読みましたが、
まああまり大したことはないんですよね。
量産品の警察小説という感じで、
あまり意外性もワクワク感もないですし、
テーマが安楽死で、
作者の主張が結構煩く書かれているのですが、
医療従事者としては、
とてもとても同意出来るような見解ではありません。
嫌になるな、という感じです。
カリウムを注射して殺すのですが、
死体の採血でそんなこと分からないでしょ。
その辺もかなりいい加減だなと感じました。

映画版は原作の作者の主張みたいなものは、
あまり取り上げてはいなくて、
少しゴタゴタしたミステリー的な趣向も、
かなりバッサリ、カットしてしまっています。
犯人の設定のみ残して、
それ以外はシンプルにしてしまった感じです。
そのこと自体は悪くないと思うのですね。
ただ、映画的な興趣みたいなものがあまりないので、
せっかくシンプルにしてムードで見せようという趣向なのに、
ムードはあまり高まらなかった、
という印象でした。

綾野剛演じる刑事が事件に巻き込まれる感じは、
明らかに「セブン」を意識していて、
それを匂わせるような場面もあるのですが、
結果的にそうした展開にはならないので、
ちょっと騙されたような感じもあるのです。

そんな訳で暇つぶし程度の気持ちであれば、
まあまあ時間つぶしにはなりますが、
1本の映画として意気込んで観に行くと、
多分相当落胆されるのではないかと思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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