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応長地蔵と二十五菩薩(元箱根石仏群) [仏像]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は日曜日でクリニックは休診です。

休みの日は趣味の話題です。

今日は元箱根の素晴らしい石仏をご紹介します。

前回の記事で「六道地蔵」をご紹介しましたが、
今回は応長地蔵と、
元箱根石仏群の白眉である、
「二十五菩薩」の刻まれた仏像岩をご紹介します。

元箱根石仏群は戦前の遺跡を分断する道路整備や、
観光スポットとしての認知度の低さから、
半ば風化し消滅の危機にあったのですが、
1988年より10年を掛けて大規模な修復が行われて、
かつての輝きと荘厳さが復活しました。
しかし、それから更に20年が経過し、
整備された遊歩道は雑草や雑木に埋もれ、
石仏群は再び埋もれ始めているように思われます。

個人的にはその感じがとても心地良くて、
誰にも邪魔されることなく、
静かに仏様に向き合うことが出来るのです。

まずこちらをご覧下さい。
応長地蔵.jpg
死者を送る儀式の、
道しるべとして安置されたと推定される、
応長地蔵と呼ばれている仏様です。
1311年の銘文があり、
鎌倉時代後期の古仏であることが確認されています。

小さいのですが美しい造形で、
古仏の魅力に満ちています。
風化も進んでおらず、
造仏当時の姿を想像することが出来ます。

手を合わせてから先に進みます。

この応長地蔵から、
今は踏み分け道のようになった遊歩道を、
そこから更にずんずんと進んで行きます。

しばらくして、
前方に複雑に折りたたまれた、
巨大な岩が現れます。

こちらをご覧下さい。
二十五菩薩1.jpg
多くの石仏が巨大な岩のあちこちに刻まれています。
いずれも鎌倉時代の後期から刻まれて、
ある程度の長い期間を経て成立したものと思われます。

全部で26体の石仏が刻まれていることが分かっています。
その多くは地蔵菩薩ですが、
違うものも幾つか含まれています。

次にこちらをご覧下さい。
二五菩薩2.jpg
遊歩道正面右側にある、
最も造形的に優れた地蔵菩薩のお姿です。
保存も良く古仏の素晴らしさに溢れています。
地蔵菩薩の石仏としては、
全国的にも屈指のものだと思います。

次にこちらをご覧下さい、
二五菩薩3.jpg
多くの地蔵菩薩が彫り込まれています。

次に岩の裏側に回ります。
こちらをご覧下さい。
二五菩薩4.jpg
ここから更に裏に回ると、
この仏像岩で最も素晴らしい仏様に出逢います。
こちらです。
二五菩薩6.jpg
足場が少し悪いのですが、もう少し近づきます。

こちらをご覧下さい。
二五菩薩5.jpg
阿弥陀如来と思われる石仏で、
最も完成度の高いものです。
素晴らしいですよね。
鎌倉時代後期よりは、
時代はもう少し下る可能性がありますが、
いずれにしても石仏屈指の名作の1つだと思います。

石仏というのは、
あまり顧みられることもなく、
風化し消滅することが宿命の儚い藝術ですが、
それがまた魅力でもあるのです。

これからも良い石仏に出逢えることを期待したいと思います。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。
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