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元箱根石仏 六道地蔵 [仏像]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は日曜日でクリニックは休診です。

休みの日は趣味の話題です。

最近最も感動したのは元箱根の石仏群に出逢ったことです。

石仏マニアというような方が、
全国にどれだけいらっしゃるのか分かりませんが、
そうした方には「何を今更言っているんだ!」
と言われるかも知れません。

僕はこれまでスルーしていましたが、
石仏の古仏としては名所中の名所の1つであるからです。

箱根の国道1号沿いにひっそりと佇んでいるのが、
国内屈指の石仏群である元箱根石仏群です。

まずこちらをご覧ください。
元箱根石仏4.jpg
元箱根石仏群は1988年から1998年に掛けて、
大規模な修復と整備が行われました。
それ以前は、風化し、
ほぼ土に埋もれかけていたのです。
その時に同時に整備されたのがこの「石仏群と歴史館」の建物です。

それから20年余が経過し、
歴史館は不気味な納屋のようになり、
館内にはお化け屋敷めいた気配が漂っています。
整備された遊歩道も、
次第に草木に埋もれ始めています。

その風化の具合が、
実に実にいいのです。
石仏というものはこうでなくてはいけません。

この歴史館から国道から精進池という池のほとりに降りると、
今では踏み分け道のようにしか見えない、
遊歩道が叢の中を伸びています。
そこを少し歩くと、
トンネルが現れ、
そこを潜って国道の反対側に出ると、
元箱根石仏群の最初のクライマックスが待っています。

こちらをご覧ください。
元箱根石仏1.jpg
本当に六道の辻みたいなんですよね。
不気味な石塔があって、
石が積まれていて、
その向こうに巨大な転石を覆う、
覆い屋が建っています。

修復前には石仏が摩崖仏として剥き出しになっていたのですが、
そこに立派な覆い屋が造られたのです。

その開かれた扉の向こうに、
俗称六道地蔵がおられます。
こちらです。
元箱根石仏2.jpg
座像ですが高さは3.5メートルに及びます。
銘文があって、
1300年鎌倉時代の後期に造られてことが分かっています。

この堂々たるお姿、この幽玄な雰囲気、
素晴らしいですよね。
拝観した瞬間に鳥肌が立ちました。

石仏はね、
鎌倉時代以前のものはとても希少で、
貴重な存在であるのです。
戦国時代以降には石仏が大量生産されたのですが、
それ以降のものとそれ以前のものとは、
その魂のグレードが違います。

そして、これだけ大きなものは、
それも古仏では非常に希少です。

もう少し近づきましょう。
元箱根石仏3.jpg
お顔の感じが他と雰囲気が違いますね。
おそらく何処かで補修が加わったように思われます。
残念ではあるのですが、
実際に拝観すると、
それほどの違和感はありません。
古仏の素晴らしさに満ちているのです。

この侘び寂びの雰囲気、
打ち捨てられた感じ、
そして風化直前の美の極致。
これぞ石仏という素晴らしさです。

元箱根の石仏はまだまだありますが、
今日はこのくらいで失礼します。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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