SSブログ

「インターステラー」 [映画]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は日曜日でクリニックは休診ですが、
1日レセプト作業の予定です。

休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
インターステラー.jpg
クリストファー・ノーラン祭りとして、
ノーラン監督の旧作が連続してアイマックスで上映されています。
実は「ダークナイト」も「インセプション」も、
「インターステラー」も映画館では観ていなかったので、
今回の連続上映はとても堪能しました。

それで今回はこの「インターステラー」ですが、
まあ封切りで御覧になった方には、
「何を今更…」と思われるかと思いますが、
この映画は凄いですね。

何となく傾向はお分かりの方もいるかと思いますが、
僕はこれ大好きですね。
本当に大好きで、一目ぼれして抱き締めて、
そのまま地方の温泉宿に逐電して、
今の生活を全て捨てても悔いがない、
というくらい好きです。

何を言っているか良く分からないでしょ。

そのくらい好きです。

もう観ている途中から興奮してドキドキしていて、
途中からこれでもか、というくらい盛り上がりが来るでしょ。
ええっ! ここまでやってくれるの?
まだ先があるの?
という感じでグイグイ引き付けられて、
後半は泣いて泣いてグズグズになって、
マスクがさあ、ベチョベチョになって困りました。

最高です!

終わったらもう駆け出して、
「大変だよ。みんな凄い映画があるんだよ。
それをアイマックスでやっているんだよ。
こんな機会はもう滅多にないよ。観ないと人生後悔するよ!」
と大声で叫びながら駆け出したいくらい。
(もちろんやってはいません)

そんなこんなで、
未見の方には是非観て頂きたい傑作なのですが、
まあこれ「愛は地球を救う!」という映画なんですね。

煎じ詰めればそういうことなのです。

なのでね、
「馬鹿を言うな。何を甘いことを言っているのだ、虫唾が走るわ!」
というような人がいるでしょ。
そういう人には向きません。
観るときっとむかつくと思います。

実は僕も大学くらいの時はそうでした。
「愛」なんて言われるとむかつきましたし、
SFなのに最後は「愛の力」とかと言われると、
「ラスボスが結局それかい!」と思って頭に来ました。
でもね、今はもうちょっと違うんですよね。
大袈裟に言えば、「愛」とはどういうものか、
多少は知っているし、
人間というのは、
所詮はそのくらいしか頼るものがない、
ということも何となく分かっているから。

そうなってみるとね、
この映画の深さは身に沁みます。

マット・デイモン演じる天才科学者がね、
「父親が死ぬとき、最後に見るのは子供の顔だ」と言うでしょ。
深いし残酷だし凄い台詞ですよね。
あのシチュエーションでそれを言わせるというのがね。
これがオリジナルの台本だと言うのですから、
これはもう奇跡的だと思うのです。
凄いですよ。

この映画はね、
「2001年宇宙の旅」のオマージュなんですね。
それとゼメキスの「コンタクト」を足して割ったような感じ、
惑星巡りは「スターウォーズ」も入れていますね。
「2001年宇宙の旅」の代表的な場面、
スターゲートとか、宇宙船のドッキング、
無音の宇宙、意志を持つ人工知能、
宇宙空間における人間の孤独、次元を超えた人間の進化、
宇宙からのメッセージ、
こうした要素は全てこの映画の中に再現されているでしょ。
その上でそれを乗り越えようとしているんですね。
全てのSF映画の頂点に立とうとする凄味、
それがこの映画の中にはありますね。

「インセプション」はノーラン監督としては、
あまり出来の良い映画ではなかったと思うのですが、
あの映画の経験は、
地球と宇宙の場面をフラッシュバックするところとか、
五次元世界の表現、スペースコロニーのビジュアルなどに、
活きていますね。
あの映画があったから、
「インターステラー」はよりグレードアップした映画になった、
という気もします。

「パラサイト」のモールス信号は、
多分この映画からの発想ですよね。
そういった意味で、
その後の多くの映画にも影響を与えている傑作だと思います。

まあ、これは壮大なほら話なのですが、
それをこの完成度でこの密度で成立させている、
というところがこの映画の奇跡的なところですよね。
最終的には大甘のファンタジーを、
力技で成立させているところが凄いのです。
ブラックホールと重力方程式まで持ち出して、
愛の証明をすることもないのだけれど、
それを無理矢理しているところが感動的なのです。

ディテールも凝っているでしょ。
オープニングのトウモロコシ畑に砂嵐というのは、
如何にもアメリカ的な終末像でスケール感がありますし、
科学者の「悪」をリアルに描いているところも、
大人の映画、という感じで渋いですよね。
悪人は登場しないけれど「悪」はあるのですね。
重力方程式が解けない方程式であることを、
天才科学者が今際の際に告白して、
それが23年の時差で宇宙船にメッセージとして届くとか、
これぞSF、という感じでいいですよね。
惚れ惚れします。

そんな訳でもう偏愛している一目ぼれの映画なので、
幾らでも書くことはあるのですが、
ネタバレも失礼なのでこれくらいにすることにします。

これはもう生涯の1本と言っていい個人的な傑作です。

アイマックスの画像も良いですし、
この機会に是非、
感染防御の上映画館にお出かけください。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。
nice!(3)  コメント(0) 

nice! 3

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。