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「エル・シド」 [映画]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は日曜日でクリニックは休診です。

休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
エル・シド.jpg
1961年公開のスペクタクル史劇「エル・シド」です。

この映画は最初にテレビで観て、
それからwowowやBSで完全版に接しました。
本当は大スクリーンで観たい映画ですが、
その機会は殆どありません。

一時期ハリウッドでスペクタクル史劇が流行して、
次々と大作が作られたことがありました。
シネラマや70ミリという大画面の映画興行と丁度リンクしていて、
大画面の効果を活かせるジャンルとして、
スペクタクル史劇が最適であったのです。

そして、このスペクタクル史劇の主役として、
次々と大作に出演したのが、
チャールトン・ヘストンでした。

最初に圧倒的なビジュアルで成功を収めたのが、
旧約聖書の出エジプト記を題材にした「十戒」で、
その後映画としても評価されたのが、
キリストの生涯を、
ユダヤ人の青年の目から描いた「ベン・ハー」でした。
この2本の映画は、
いずれもサイレント時代の同題の映画のリメイクです。

この「エル・シド」は、
「ベン・ハー」の2年後にアメリカとイタリア合作で作られた、
イタリアテイストを入れた、
ハリウッド風スペクタクル史劇です。

そのため、
チャールトン・ヘストンの相手役は、
イタリアの名花ソフィア・ローレンです。

当時はイタリア映画の最盛期で、
フェリーニやアントニオーニなど、
芸術性の高い映画もありましたし、
ホラー映画やスパイ映画など、
娯楽映画も量産されていました。
時代は少し下ってマカロニウエスタンと称される、
イタリア製西部劇が量産されたことも皆さんご存じの通りです。

その娯楽路線の1つとして、
スペクタクル史劇も結構作られていて、
その部分とハリウッド史劇が合体した映画が、
この「エル・シド」なのです。

舞台はスペインで、
中世の一時期ムーア人に支配されていたバレンシア地方を、
スペイン人の手に取り戻した英雄とされる、
エル・シドの生涯を描いた物語です。

アメリカとイタリア製ですが舞台はスペインで、
ローマやギリシャが定番の舞台であったスペクタクル史劇とは、
ちょっと雰囲気を変える目的があったようです。

まあ時代考証などは、
ほぼほぼ出鱈目と言って良い映画なのですが、
純正ハリウッドの映画とは、
ちょっと別種のアクの強さがあって、
僕は最初に観た時から、
結構惹き付けられましたし、
今も割合に気に入っている映画です。

キリスト教徒とイスラム教徒の軍勢の激突でしょ。
なかなか個性的で良いんですよね。
甲冑の軍団が揃ったところとか、
動く要塞みたいなものが海岸を行進するところとか、
その量感が凄いでしょ。
これは「指輪物語」のビジュアルの元ネタですね。
それを人力でCGなしでやっているのが凄いのです。

それからラストがね、
深手を負って助からないと察したエル・シドが、
自分の死体を馬に括りつけて、
敵の前に放つように遺言するんですね。
それで相手が「エル・シドは不死身だ」と恐れて撤退するという、
こういうのはハリウッド製史劇にはあまりない、
伝奇小説的な味がありますよね。
その辺が僕は好みです。

そんな訳で映画史的には、
そう大したことはない映画なのですが、
伝奇小説的個性強めのスペクタクル史劇として、
個人的には気に入っている1本です。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。
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