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「あん」(河瀬直美監督映画版) [映画]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は祝日で休診です。
今日も1日家にいる予定です。

休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
あん.jpg
2015年にロードショー公開された日本映画「あん」です。
世界的に高い評価を得ている河瀬直美監督が、
詩人のドリアン助川さんの原作を、
原作者本人の依頼を受けて映画化したものです。

これも以前ネットの連載に書いたことがあるので、
少しそれを引用しています。

河瀬監督はそれまで芸術性は高いけれど、
一般の面白い映画が見たい、
という観客には、
やや敷居の高い映画を作っていました。

それがこの「あん」では、
それ自体平明な原作を再現することに重きを置いたためか、
良い意味で通俗的な作品となり、
多くの一般の観客の支持を集めました。

更に河瀬作品に初主演の樹木希林さんが、
そのキャリアの中でも最高の演技の1つを披露して、
観客に大きな感銘を与えたのです。

どら焼き屋の雇われ店長をしている、
前科者の千太郎(永瀬正敏)は、
手の不自由な徳江(樹木希林)という老女に、
店を手伝いたいと話しかけられます。

最初は断った千太郎ですが、
彼女が持参したどら焼きのあんが、
あまりに美味しいのに驚き、
試しに自分の店のあん作りを任せます。

すると、そのどら焼きが大評判となり、
それまで閑古鳥が鳴いていた店は、
一気に長蛇の列の評判店になります。

しかし、実は徳江はハンセン病の患者で、
療養所から店に通っていたのです。
その変形した手を見た人から、
心ない噂が広まり、
徳江は自分からひっそりと姿を消してしまいます。

物語は千太郎と徳江、
そして、
2人を慕っていたワカナという少女を軸にして展開します。
3人の人生はどのように結びつき、
徳江の人生にはどのようなフィナーレが訪れるのでしょうか?
河瀬監督らしい、
自然の風景と人間の生とが結び付いた感動の結末が待っています。

この映画はともかく樹木希林さんがいいんですよね。
樹木さんは勿論多くの映画に出演していますが、
正直自然体に見えて、
その役より樹木さんにしか見えない、
という感じの作品も多いのですが、
この映画の樹木さんは本当に役柄そのものに見えます。
こちらも樹木さんは樹木さんとして観てしまうので、
それ以外の印象を持ちにくいのですが、
この映画ではその僕達の先入観を超えて、
樹木さんはハンセン病のあん作り名人にしか見えません。
見事な芝居ですし、
何より魂の籠もっていることを感じます。

河瀬監督の演出も、
原作を忠実に観客に伝えようという姿勢があり、
自然描写や長瀬さんの生活描写には、
河瀬さんらしさを出しつつも、
平明な作品が意図され成功していると思います。

この辺りはテリー・ギリアム監督の
「フィッシャー・キング」に似ています。
どちらも色々なバランスが巧みに融合して、
監督本人はおそらくそう思っていないと思うのですが、
奇跡的な傑作になっているのです。

河瀬監督の映画は、
この間の「Vision」など、
「勘弁してよ」という感じの作品も多いので、
観る側にも一定の覚悟が必要なのですが、
この「あん」に関しては、
あまり普段映画を観ない、という方を含めて、
多くの方に自信を持ってお薦め出来る作品で、
是非ご覧頂ければと思います。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。
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