「フィッシャー・キング」 [映画]
こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は日曜日でクリニックは休診です。
1日家にいる予定です。
休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
1991年にアメリカ公開、翌1992年に日本公開された、
テリー・ギリアム監督としては珍しい、
現代を舞台にした人間ドラマで、
おそらくテリー・ギリアム作品としては、
一般には最も成功した映画です。
ジェフ・ブリッジスとロビン・ウィリアムス演じる2人の男性が、
ある猟奇事件でそれぞれに身を持ち崩し、
一方は女性のヒモのようになって飲んだくれの日々を過ごし、
もう一方は狂気に陥って、
自分を聖杯伝説の騎士と信じてホームレス生活をしています。
そのどん底の2人がある日ひょんなことから出逢い、
奇妙な友情を育むようになります。
物語は聖杯伝説をなぞるようにして展開され、
誰もが望む、幸福なエンディングが待っているのです。
この映画はキャストが抜群にいいんですね。
ジェフ・ブリッジスもロビン・ウィリアムスも、
2人とも他にもキラ星の如く数々の名作に出演していますが、
この作品が代表作だと言っても、
別に何処からも文句は出ないのではないかと思います。
2人の個性がそれぞれにしっかり活きているのが、
何よりいいですね。
そして、対するアマンダ・プラマーとマーセデス・ルールの、
2人の女優さんが、
非常に個性的で魅力的な相手役のヒロインを演じて、
その見事な演技の競演が、
この作品の最大の魅力です。
テリー・ギリアムと言えば、
破天荒で壮大なファンタジーが代名詞で、
独創的な反面、空中分解しているような作品も多かったのですが、
この作品ではリチャード・ラグラベネーズによる脚本が、
完成度高く既に存在していて、
監督はその物語を活かしながら、
自分のテイストを盛り込んで、
やり過ぎない作品に仕上げています。
多分他にギリアム監督の作品で、
このように抑制的な映画は他にないと思いますし、
ある意味ここまで成功した作品も他にないと思います。
監督、普通の映画も作れるんじゃん!
という感じです。
ただ、ギリアム監督の個性自体は健在で、
広角レンズの斜め構図やスモーク、逆光使いまくり、
「赤い騎士」のゴミの中から姿を現したようなビジュアルなど、
これはもうギリアム監督の世界そのものです。
監督は女性を描くことは基本的に苦手で、
登場する時は「男の夢を妨害する存在」と、
「妄想の中の理想の恋人」の2択になります。
今回もその2つのパターンの女性が登場するのですが、
その造形は役者さんの芝居の見事さも相俟って、
他のギリアム作品とは比べものにならないレベルに達しています。
ただ、ギリアム作品はあくまで男性目線の世界なので、
基本的に「男にとっての女性」しか出て来ません。
それを批判される方もいますし、
それはその通りなのですが、
これはもうこうしたものとして、
許容して楽しめるかどうか、
という個々人の問題なのではないかと思います。
いずれにしてもギリアム監督にしてなし得た、
現代の理想郷を旅する映画で、
ギリアム作品の入門編としても、
その1つの到達点としても、
ひととき、ニューヨークという過去の理想郷に遊ぶことの出来る、
素敵な映画であることは間違いがありません。
それでは今日はこのくらいで。
皆さんも良い休日をお過ごし下さい。
石原がお送りしました。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は日曜日でクリニックは休診です。
1日家にいる予定です。
休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
1991年にアメリカ公開、翌1992年に日本公開された、
テリー・ギリアム監督としては珍しい、
現代を舞台にした人間ドラマで、
おそらくテリー・ギリアム作品としては、
一般には最も成功した映画です。
ジェフ・ブリッジスとロビン・ウィリアムス演じる2人の男性が、
ある猟奇事件でそれぞれに身を持ち崩し、
一方は女性のヒモのようになって飲んだくれの日々を過ごし、
もう一方は狂気に陥って、
自分を聖杯伝説の騎士と信じてホームレス生活をしています。
そのどん底の2人がある日ひょんなことから出逢い、
奇妙な友情を育むようになります。
物語は聖杯伝説をなぞるようにして展開され、
誰もが望む、幸福なエンディングが待っているのです。
この映画はキャストが抜群にいいんですね。
ジェフ・ブリッジスもロビン・ウィリアムスも、
2人とも他にもキラ星の如く数々の名作に出演していますが、
この作品が代表作だと言っても、
別に何処からも文句は出ないのではないかと思います。
2人の個性がそれぞれにしっかり活きているのが、
何よりいいですね。
そして、対するアマンダ・プラマーとマーセデス・ルールの、
2人の女優さんが、
非常に個性的で魅力的な相手役のヒロインを演じて、
その見事な演技の競演が、
この作品の最大の魅力です。
テリー・ギリアムと言えば、
破天荒で壮大なファンタジーが代名詞で、
独創的な反面、空中分解しているような作品も多かったのですが、
この作品ではリチャード・ラグラベネーズによる脚本が、
完成度高く既に存在していて、
監督はその物語を活かしながら、
自分のテイストを盛り込んで、
やり過ぎない作品に仕上げています。
多分他にギリアム監督の作品で、
このように抑制的な映画は他にないと思いますし、
ある意味ここまで成功した作品も他にないと思います。
監督、普通の映画も作れるんじゃん!
という感じです。
ただ、ギリアム監督の個性自体は健在で、
広角レンズの斜め構図やスモーク、逆光使いまくり、
「赤い騎士」のゴミの中から姿を現したようなビジュアルなど、
これはもうギリアム監督の世界そのものです。
監督は女性を描くことは基本的に苦手で、
登場する時は「男の夢を妨害する存在」と、
「妄想の中の理想の恋人」の2択になります。
今回もその2つのパターンの女性が登場するのですが、
その造形は役者さんの芝居の見事さも相俟って、
他のギリアム作品とは比べものにならないレベルに達しています。
ただ、ギリアム作品はあくまで男性目線の世界なので、
基本的に「男にとっての女性」しか出て来ません。
それを批判される方もいますし、
それはその通りなのですが、
これはもうこうしたものとして、
許容して楽しめるかどうか、
という個々人の問題なのではないかと思います。
いずれにしてもギリアム監督にしてなし得た、
現代の理想郷を旅する映画で、
ギリアム作品の入門編としても、
その1つの到達点としても、
ひととき、ニューヨークという過去の理想郷に遊ぶことの出来る、
素敵な映画であることは間違いがありません。
それでは今日はこのくらいで。
皆さんも良い休日をお過ごし下さい。
石原がお送りしました。
2020-05-03 09:25
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