「仮面病棟」(2020年映画版) [映画]
こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は土曜日で、
午前午後とも石原が外来を担当する予定です。
土曜日は趣味の話題です。
今のこの状況になりますと、
映画の話題も如何なものかな、という気はします。
映画館も週末は休館が殆どですね。
すぐに映画館に行くということではなく、
1つの情報としてお読み頂ければと思います。
それでは今日の話題です。
今日はこちら。
知念実希人さんのベストセラーになったミステリーを、
木村ひさし監督が、
原作よりノワール色の強い、
サスペンススリラーとして映画化しました。
これはね、意外に拾いものでした。
原作は先に読んでいたのですが、
あまり感心しなかったんですよね。
別に意外でも何でもないし、モタモタしているし、
スカスカの文章でライトノベルの感じでしょ。
これを映画にしても、盛り上がらないだろうなあ、
とそんな風に思いました。
それがね、意外にそうでもないんですよ。
ラス前にSATが突入みたいなところがあるんですよね。
普通のミステリーだと、
ここで犯人が本性を現して、みたいな展開になって、
ドタバタしてしまうところなんですよね。
それを結構上手くまとめているんですよ。
そこでは真相を明らかにしないで一呼吸おいて、
その後にもう一山作っているんですね。
この構成は原作そのままなのですが、
原作ではまどろっこしい感じがしてしまうところが、
映画にするとバシッと決まるんですね。
なるほど、映像向きの原作なのね、
と自分の不明を恥じました。
こうした小説でないと、
今はヒットしないのかも知れません。
映画の脚本は原作者と監督が共同でクレジットされているのですが、
なかなか上手くアレンジを加えていると感心しました。
あまりネタバレになるといけないので、
もやっとした表現になりますが、
これウールリッチ原作の有名な映画のアレなんですね。
原作には全くそんなテイストはないんですが、
幾つかの背景となる人間関係を原作に加えることによって、
なかなか巧みにそれっぽい世界に着地しているんです。
最後の街頭演説と記者会見がクロスするところ、
結構盛り上がるでしょ。
なかなかの腕前だと感心しました。
木村監督は堤幸彦師匠の流れで、
悪ふざけに流れるきらいがあり、
「屍人荘の殺人」なんて悪いパターンの脱力映画でしたが、
今回はお遊びは全く封印して、
ノワールの世界に集中している感じでした。
やれば出来るじゃん、と思いました。
80年代くらいの低予算スリラーのテイストでね。
動きは全てうるさいくらいにカットを割るのですが、
それも今回の映画では引き締まったリズムを醸していて、
なかなかの演出手腕であったと思いました。
主人公2人の演技も良かったし、
2時間近い尺ですが、
1時間半くらいにしか感じなかったですね。
日本の娯楽サスペンスとしては、
これはもう稀に見る成功作と言って、
良いのではないでしょうか。
馬鹿にして観ないという方も多いかも知れませんが、
ノワールやサスペンスの好きな方なら必見ですよ。
先日の三池監督の「初恋」と二本立てにしたら、
結構最強のコンビではないかと思います。
お時間があれば是非!
ただ、勿論不要不急の外出は自粛されている地域も多いので、
敢くまで感染防御の観点から、
安全に鑑賞可能な機会を選んで御覧下さい。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は土曜日で、
午前午後とも石原が外来を担当する予定です。
土曜日は趣味の話題です。
今のこの状況になりますと、
映画の話題も如何なものかな、という気はします。
映画館も週末は休館が殆どですね。
すぐに映画館に行くということではなく、
1つの情報としてお読み頂ければと思います。
それでは今日の話題です。
今日はこちら。
知念実希人さんのベストセラーになったミステリーを、
木村ひさし監督が、
原作よりノワール色の強い、
サスペンススリラーとして映画化しました。
これはね、意外に拾いものでした。
原作は先に読んでいたのですが、
あまり感心しなかったんですよね。
別に意外でも何でもないし、モタモタしているし、
スカスカの文章でライトノベルの感じでしょ。
これを映画にしても、盛り上がらないだろうなあ、
とそんな風に思いました。
それがね、意外にそうでもないんですよ。
ラス前にSATが突入みたいなところがあるんですよね。
普通のミステリーだと、
ここで犯人が本性を現して、みたいな展開になって、
ドタバタしてしまうところなんですよね。
それを結構上手くまとめているんですよ。
そこでは真相を明らかにしないで一呼吸おいて、
その後にもう一山作っているんですね。
この構成は原作そのままなのですが、
原作ではまどろっこしい感じがしてしまうところが、
映画にするとバシッと決まるんですね。
なるほど、映像向きの原作なのね、
と自分の不明を恥じました。
こうした小説でないと、
今はヒットしないのかも知れません。
映画の脚本は原作者と監督が共同でクレジットされているのですが、
なかなか上手くアレンジを加えていると感心しました。
あまりネタバレになるといけないので、
もやっとした表現になりますが、
これウールリッチ原作の有名な映画のアレなんですね。
原作には全くそんなテイストはないんですが、
幾つかの背景となる人間関係を原作に加えることによって、
なかなか巧みにそれっぽい世界に着地しているんです。
最後の街頭演説と記者会見がクロスするところ、
結構盛り上がるでしょ。
なかなかの腕前だと感心しました。
木村監督は堤幸彦師匠の流れで、
悪ふざけに流れるきらいがあり、
「屍人荘の殺人」なんて悪いパターンの脱力映画でしたが、
今回はお遊びは全く封印して、
ノワールの世界に集中している感じでした。
やれば出来るじゃん、と思いました。
80年代くらいの低予算スリラーのテイストでね。
動きは全てうるさいくらいにカットを割るのですが、
それも今回の映画では引き締まったリズムを醸していて、
なかなかの演出手腕であったと思いました。
主人公2人の演技も良かったし、
2時間近い尺ですが、
1時間半くらいにしか感じなかったですね。
日本の娯楽サスペンスとしては、
これはもう稀に見る成功作と言って、
良いのではないでしょうか。
馬鹿にして観ないという方も多いかも知れませんが、
ノワールやサスペンスの好きな方なら必見ですよ。
先日の三池監督の「初恋」と二本立てにしたら、
結構最強のコンビではないかと思います。
お時間があれば是非!
ただ、勿論不要不急の外出は自粛されている地域も多いので、
敢くまで感染防御の観点から、
安全に鑑賞可能な機会を選んで御覧下さい。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
2020-04-04 06:18
nice!(8)
コメント(0)
コメント 0