イソフラボンの虚血性心疾患予防効果(2020年アメリカの疫学データ) [医療のトピック]
こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は金曜日でクリニックは休診ですが、
老人ホームの診療などには廻る予定です。
それでは今日の話題です。
今日はこちら。
2020年のCirculation誌に掲載された、
大豆製品の摂取量と虚血性心疾患の予防効果についての論文です。
大豆は良質の蛋白源であると共に、
女性ホルモン様作用を持つイソフラボンを含み、
心筋梗塞や脳卒中、骨粗鬆症の予防効果などが報告されています。
アメリカのFDAは1999年に、
その時点での臨床データを検証し、
大豆にコレステロール降下作用があると認め、
「大豆は心臓に良い」という健康表示を許可しました。
ただ、その後発表された臨床データにおいては、
コレステロール低下作用はあまり明確ではなく、
虚血性心疾患の予防効果も確実とは言えないとして、
2017年にはFDAは大豆の健康表示の取り消しを検討している、
という発表をしました。
イソフラボンは虚血性心疾患に有効なのでしょうか、
それともそうではないのでしょうか?
上記文献の著者らは、
この問題が混迷しているのは、
大豆製品の種類によっても、
その性質に差があるのではないかとの推測の元に、
これまでの医療従事者を対象とした、
大規模な3つの疫学データをまとめて解析して、
この問題の再検証を行っています。
のべ4826122名の観察を行い、
その間に8359件の虚血性心疾患が発症しています。
他の心疾患のリスク因子を補正した結果として、
イソフラボンの摂取量を5分割すると、
最も摂取量が少ない群と比較して、
最も多い群では虚血性心疾患のリスクは、
13%(95%CI: 0.81から0.94)有意に低下していました。
大豆食品での比較では、
豆腐は同様にそのリスクを、
18%(95%CI: 0.70から0.95)有意に低下させていましたが、
豆乳では有意な虚血性心疾患の低下は認められませんでした。
また、女性においては、
豆腐による虚血性心疾患の低下作用は、
閉経前の若い女性と、
ホルモン補充療法を行っていない閉経後の女性で、
より顕著に見られるという傾向が認められました。
このようにアメリカの疫学データにおいても、
イソフラボンの摂取量と虚血性心疾患のリスク低下との間には、
一定の関連が認められ、
断定的とは言えないものの、
その女性ホルモン様作用と関連があるように推測されます。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は金曜日でクリニックは休診ですが、
老人ホームの診療などには廻る予定です。
それでは今日の話題です。
今日はこちら。
2020年のCirculation誌に掲載された、
大豆製品の摂取量と虚血性心疾患の予防効果についての論文です。
大豆は良質の蛋白源であると共に、
女性ホルモン様作用を持つイソフラボンを含み、
心筋梗塞や脳卒中、骨粗鬆症の予防効果などが報告されています。
アメリカのFDAは1999年に、
その時点での臨床データを検証し、
大豆にコレステロール降下作用があると認め、
「大豆は心臓に良い」という健康表示を許可しました。
ただ、その後発表された臨床データにおいては、
コレステロール低下作用はあまり明確ではなく、
虚血性心疾患の予防効果も確実とは言えないとして、
2017年にはFDAは大豆の健康表示の取り消しを検討している、
という発表をしました。
イソフラボンは虚血性心疾患に有効なのでしょうか、
それともそうではないのでしょうか?
上記文献の著者らは、
この問題が混迷しているのは、
大豆製品の種類によっても、
その性質に差があるのではないかとの推測の元に、
これまでの医療従事者を対象とした、
大規模な3つの疫学データをまとめて解析して、
この問題の再検証を行っています。
のべ4826122名の観察を行い、
その間に8359件の虚血性心疾患が発症しています。
他の心疾患のリスク因子を補正した結果として、
イソフラボンの摂取量を5分割すると、
最も摂取量が少ない群と比較して、
最も多い群では虚血性心疾患のリスクは、
13%(95%CI: 0.81から0.94)有意に低下していました。
大豆食品での比較では、
豆腐は同様にそのリスクを、
18%(95%CI: 0.70から0.95)有意に低下させていましたが、
豆乳では有意な虚血性心疾患の低下は認められませんでした。
また、女性においては、
豆腐による虚血性心疾患の低下作用は、
閉経前の若い女性と、
ホルモン補充療法を行っていない閉経後の女性で、
より顕著に見られるという傾向が認められました。
このようにアメリカの疫学データにおいても、
イソフラボンの摂取量と虚血性心疾患のリスク低下との間には、
一定の関連が認められ、
断定的とは言えないものの、
その女性ホルモン様作用と関連があるように推測されます。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
2020-04-03 06:07
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