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新型コロナウイルス感染症の妊娠出産事例 [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は水曜日なので診療は午前中で終わり、
午後は産業医面談で都内を廻る予定です。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
COVID19と妊娠中の感染.jpg
2020年2月12日のLancet誌にウェブ掲載された、
新型コロナウイルス感染症(COVIT-19)に妊娠中に感染し、
その後出産した事例の解析です。

新型コロナウイルス感染症の、
まとまった事例報告は中国のものが複数存在していますが、
特別な対応が必要とされる妊娠中の感染については、
これまでに報告がありませんでした。

今回の検証はその初めてのもので、
以前ご紹介したJAMA誌の論文で、
138名の感染時事例が解析されていた、
武漢大学中南病院(Zhongnan Hospital of Wuhan Univercity)で、
2020年1月に入院した妊娠中の新型コロナウイルス感染症の事例を、
9例まとめて解析しています。

今回解析された9例の妊娠中の感染事例は、
発熱や咳などの症状においては、
他の患者と違いはなく、
重症肺炎や死亡事例は含まれていません。
いずれも妊娠の後期に帝王切開で出産に成功しています。
胎児仮死などの合併症も認められていません。
羊水や臍帯血で行った遺伝子検査の結果では、
赤ちゃんへの垂直感染は認められていません。

今回解析された事例の範囲では、
妊娠中の女性でもその症状には大きな差はなく、
胎児への垂直感染も認められていません。

妊娠されている女性にとっては、
まずは安心材料となる結果ではありますが、
まだ例数は少なく、
単独施設での短期のデータに過ぎないので、
この点については今後の検証の積み重ねを注視したいと思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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