「リチャード・ジュエル」 [映画]
こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は日曜日でクリニックは休診です。
休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
クリント・イーストウッド監督の新作は、
1996年のアトランタ爆弾テロ事件で、
FBIとメディアに犯人と名指しされて冤罪になりかけた、
警備員の実話の映画化です。
イーストウッド監督作は、
最近は毎回実際の事件を扱ったドラマが続き、
上映時間の短い、事実をなぞっただけのような、
薄っぺらな作品もあったのですが、
前作の「運び屋」は、
ユーモアを交えペーソスもある円熟した語り口で、
久しぶりに堪能した思いがありました。
今回の新作はその好調を持続しつつ、
より進化させたという感じもあって、
今年一番と言って良い感銘を受けました。
今年観た映画の中で、
気が早いですが、
「パラサイト」と「リチャード・ジュエル」は、
ほぼ間違いなくベスト5に入れると思います。
かなり手垢の付いた冤罪物なのですが、
主人公で爆弾テロの自作自演を疑われるジュエルが、
非常に複雑な人格として描かれていて、
実際にその時に報道などを見ていれば、
彼が犯人だと信じてしまうだろうな、
と思えるような説得力があります。
まずジュエルという人物を最初にしっかり描き、
弁護士との出逢いも描きながら、
テロ事件に至るという展開がさすがです。
段取りとしても、
かつての勤め先の上司が彼を告発し、
それがプロファイリングと一致したので、
FBIが嫌疑を強めたタイミングで、
捜査官が女性記者にそのことをリークしてしまい、
それが報道されたことで、
FBIも彼が犯人として動かざるを得なくなる、
という流れに説得力があり、
かつての日本の冤罪事件なども思い出してしまいます。
その後の展開は予想通りなのですが、
権力の怖さというのを強く感じますし、
クライマックスの主人公と弁護士の逆襲は、
物語としてはご都合主義にも感じますが、
実話であるという裏付けがあるので、
それほど違和感を感じることなく、
主人公の顛末に素直に共感出来ます。
複雑な人物をリアルに演じた、
ジュエル役のポール・ウォルター・ハウザーと、
弁護士のサム・ロックウェルが良く、
最近のイーストウッド映画としては、
映画的な技術水準も高くて、
素直に良い映画を観た、
という感想を持つことが出来る作品です。
これはもう安心して皆さんにお勧め出来る1本です。
お時間のある方は是非ご覧下さい。
それでは今日はこのくらいで。
皆さんも良い休日をお過ごし下さい。
石原がお送りしました。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は日曜日でクリニックは休診です。
休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
クリント・イーストウッド監督の新作は、
1996年のアトランタ爆弾テロ事件で、
FBIとメディアに犯人と名指しされて冤罪になりかけた、
警備員の実話の映画化です。
イーストウッド監督作は、
最近は毎回実際の事件を扱ったドラマが続き、
上映時間の短い、事実をなぞっただけのような、
薄っぺらな作品もあったのですが、
前作の「運び屋」は、
ユーモアを交えペーソスもある円熟した語り口で、
久しぶりに堪能した思いがありました。
今回の新作はその好調を持続しつつ、
より進化させたという感じもあって、
今年一番と言って良い感銘を受けました。
今年観た映画の中で、
気が早いですが、
「パラサイト」と「リチャード・ジュエル」は、
ほぼ間違いなくベスト5に入れると思います。
かなり手垢の付いた冤罪物なのですが、
主人公で爆弾テロの自作自演を疑われるジュエルが、
非常に複雑な人格として描かれていて、
実際にその時に報道などを見ていれば、
彼が犯人だと信じてしまうだろうな、
と思えるような説得力があります。
まずジュエルという人物を最初にしっかり描き、
弁護士との出逢いも描きながら、
テロ事件に至るという展開がさすがです。
段取りとしても、
かつての勤め先の上司が彼を告発し、
それがプロファイリングと一致したので、
FBIが嫌疑を強めたタイミングで、
捜査官が女性記者にそのことをリークしてしまい、
それが報道されたことで、
FBIも彼が犯人として動かざるを得なくなる、
という流れに説得力があり、
かつての日本の冤罪事件なども思い出してしまいます。
その後の展開は予想通りなのですが、
権力の怖さというのを強く感じますし、
クライマックスの主人公と弁護士の逆襲は、
物語としてはご都合主義にも感じますが、
実話であるという裏付けがあるので、
それほど違和感を感じることなく、
主人公の顛末に素直に共感出来ます。
複雑な人物をリアルに演じた、
ジュエル役のポール・ウォルター・ハウザーと、
弁護士のサム・ロックウェルが良く、
最近のイーストウッド映画としては、
映画的な技術水準も高くて、
素直に良い映画を観た、
という感想を持つことが出来る作品です。
これはもう安心して皆さんにお勧め出来る1本です。
お時間のある方は是非ご覧下さい。
それでは今日はこのくらいで。
皆さんも良い休日をお過ごし下さい。
石原がお送りしました。
2020-02-02 09:33
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