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「ラストレター」 [映画]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は土曜日で、
午前午後とも石原が外来を担当する予定です。

土曜日は趣味の話題です。
今日はこちら。
ラストレター.jpg
岩井俊二監督の新作「ラストレター」が今公開中です。

岩井監督は好きかと言われると微妙なところで、
「Love Letter」「スワロウテイル」は封切りで観ましたが、
あまりピンとは来ませんでした。

ただ、数年前の「リップヴァンウィンクルの花嫁」は、
細部まで技巧が凝らされ、
先の読めない展開に惹き付けられました。
黒木華さんの演技も最高でした。

それで今回も期待をして出掛けました。

うーん、今回は微妙でしたね。

「Love Letter」の中山美穂さんと豊川悦司さんが特別出演していますが、
基本的には別の手紙を巡るお話です。

松たか子さん、広瀬すずさん、福山雅治さん、
森七菜さん、神木隆之介さんと、
これでもかというくらいに人気者や実力俳優を揃え、
脇には庵野秀明監督や小室等さんなど、
その道の大物まで出演させています。

凄いですね。

松たか子さんのお姉さんが、
亡くなってお葬式というところから物語は始まり、
自分もかつて好きであった、
姉の同級生の福山雅治さんと、
再会することで物語が動いて行きます。

1人の女性の死から、
家族を含めた周辺の人たちの、
心の揺らぎのようなものを綴った重層的な物語で、
「代筆」というキーワードから、
世代を超えた恋心が複雑に絡まり合います。
世代の違う血縁の女性を同じ役者さんが演じることで、
時間が円環的に閉じてゆく感じも強調されています。

オープニングの滝の場面がちょっと意表を突く感じで、
その空気感に惹き付けられます。
前半は松たか子さんを中心にストーリーは展開し、
そこからバトンタッチする感じで、
後半は福山雅治さんのストーリーになり、
そこに広瀬すずさんと森七菜さんのパートが、
挟まって展開されるという流れです。

物語の骨格が明確化される中段までは、
重層的な語り口や、
何処に動くか分からない、
先の見えない構造に魅力があり、
興味深く見ることが出来ました。

ただ、松たか子さんがその心情を吐露して以降は、
主人公2人の過去の愛情への思いが、
執拗に語られるだけの展開となり、
そこに共感と強い魅力を感じられれば、
惹き付けられるのでしょうが、
個人的にはあまりそうした気分にはならず、
「くどいなあ」と感じるだけで終わってしまった、
というのが正直な感想でした。

そんな訳で個人的には乗れなかったのですが、
如何にも岩井監督らしい力作ではあり、
監督のファンであれば堪能出来る作品ではあると思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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