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英国ロイヤル・オペラ日本公演2019 [オペラ]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は日曜日でクリニックは休診です。

1月10日の深夜に、
ヒイヒイ言いながらレセプトをオンラインで提出し、
昨日も昨日で結構バタバタしていたので、
今はちょっと放心状態という感じです。

今日は日曜日なので趣味の話題です。
今日はこちら。
英国ロイヤルオペラ.jpg
昨年大物の海外歌劇場として、
英国ロイヤル・オペラが来日公演を行いました。

演目はヴェルディの「オテロ」とグノーの「ファウスト」です。

「オテロ」はこれまでに何度も聴いていますが、
フランスオペラの「ファウスト」は、
生で通しの上演を聴くのは今回が初めてでした。

演出はかなり対象的で、
「ファウスト」が古典的で豪華なものだったのに対して、
「オテロ」はキース・ウォーナーによる、
かなり前衛的なものでした。

「オテロ」はヴェルディの作品の中でも、
完成度の高い代表作の1つであると思いますが、
満足のゆく実演はそれほど多くはありません。

個人的にはクラシックな演出であるべきだと思うのですが、
シェイクスピア原作というのを意識するのか、
最近は殆どが時代を変えたり設定を変えたりする読み替え演出で、
それも殆どが不発に終わっていてガッカリします。
更には主役のオテロが、
強いカリスマ性と迫力と表現力の必要な難役で、
名テノール、プラシド・ドミンゴが当たり役として以来、
当代随一のオテロ、と言えるような歌手は、
未だ現れてはいない、という気がします。

今回の上演は、
これまでに何度もオテロを歌っている、
アメリカのグレゴリー・クンデのタイトルロールで、
これまでにも何度かクンデのオテロは聴いていますが、
その堂々とした押し出しと言い、
表現力と迫力を兼ね備えた歌声と言い、
勿論ドミンゴのような輝きはありませんが、
現在望みうる最高のオテロ歌手の1人と言って、
間違いはないところだと思います。
今回は演技も良かったですし、
歌も第一声などは少し弱いと感じましたが、
2幕以降は迫力充分の歌唱で堪能しました。

ただ、ウォーナーの演出は、
現代に読み替えているのではないのに、
妙に抽象的なセットで、
歌手の役者としての生理を全く無視したものなので、
彼の悪いところが出たな、
という印象がありました。
1幕の酒場での揉め事も、
全くそうした感じになりませんし、
イアーゴが寝転がってアリアを歌うような必要が、
一体何処にあるのでしょうか?

キャストはメインの3人は結構頑張っていたのに、
アンサンブルが悪い原因の殆どは、
この滅茶苦茶な演出にあったように思います。

酷いよ!

一方の「ファウスト」は一転クラシカルで、
これはこれでもう一工夫欲しいな、
という気はするのですが、
如何にもフランスのグランドオペラという雰囲気が豪華で、
なかなか良い舞台に仕上がっていました。

タイトルロールを歌ったヴィットリオ・グリゴーロが素晴らしくて、
僕は以前彼のリサイタルを聴きに行って、
声を張り上げるだけの雑な歌唱に、
何じゃこりゃ、とガッカリしたことがあるのですが、
今回は表現力も迫力も繊細さもある素晴らしい演技と歌唱で、
おみそれしました、という感じでした。

オペラ歌手の中には、
オペラの舞台は抜群に良いのに、
リサイタルは雑で適当という人もいますね。
勿論反対の人もいます。
グリゴーロは典型的に前者ですね。
ドタキャンした公演もあったようなので、
今回聴けたことは幸運でした。

このところ来日オペラは
比較的質の高い公演が多く、
一時と比べるとかなり予算は削減され、
大スターの来日も減りましたが、
これからも時々は足を運びたいと思います。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。

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