SSブログ

「家族を想うとき」 [映画]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は年末年始の休診中です。

休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
家族を想うとき.jpg
イギリスのガチガチの社会派ケン・ローチ監督の新作、
「家族を想うとき」を観て来ました。

前作「わたしは、ダニエル・ブレイク」で、
監督引退を表明していたのですが、
それを撤回しての新作ということのようです。

イギリスの田舎町に暮らす4人家族の物語で、
キレやすくて建設作業の仕事がなかなか続かなかったお父さんが、
フランチャイズの宅配ドライバーの仕事を始めるのですが、
時間に追われて管理され次第に疲弊して、
息子は問題児で次々とトラブルを起こし、
家族の絆も崩壊寸前になるというつらいお話しです。

ただ、語り口は平明で柔らかく、
一部の日本映画のような過剰な暗さはないので、
意外にリラックスして観ることが出来ます。

これは結構観る人を選ぶ感じの映画ですね。

映画の描くフランチャイズ制度などを、
当然の仕組みとして考えると、
不良息子が悪いだけで、
上手く立ち回ればお父さんも大丈夫、
というようにも思えます。

ただ、ケン・ローチ監督の主張は勿論そうではなくて、
スマホに息子は囚われているし、
お父さんは仕事を管理する端末の奴隷になっていて、
そうした機械に支配され管理されていること自体が、
人間性を剥奪している不幸の元凶だ、
という考え方なのです。

でも、スマホなんて当たり前と思っているでしょ。
そうすると問題の本質が見えなくて、
何やってんだよこの家族、
もっと要領よくやればいいのに、
と思ってしまうのです。

そうした僕達の先入観に挑戦しているのが、
この映画の肝なのだと思います。

ケン・ローチ節健在という感じで、
監督のファンの方であれば文句なく良いと思える映画です。

その反面監督作品初鑑賞という方の中には、
違和感を感じる方が多いかも知れません。

まあでも、そうした映画があってもいいですよね。

僕はラストも含めて割合と好きです。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い年の瀬をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。
nice!(4)  コメント(0) 

nice! 4

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。