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ソフトドリンクと喘息リスク(2019年メタ解析) [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
ソフトドリンクと喘息リスク.jpg
2019年のBMJ Openに掲載された、
ソフトドリンクの摂取と喘息リスクとの関連についての論文です。

気管支喘息の発症や増悪には、
ストレスや大気汚染、花粉症など、
環境要因が大きな影響を与えることが知られています。

その中で最近時々指摘されることがあるのが、
ソフトドリンクの摂取習慣と喘息リスクとの関係です。

砂糖などの糖質を含むジュースなどの甘い飲み物が、
血糖値を上昇させて肥満の原因となり、
糖尿病や心血管疾患のリスクとなって、
生命予後にも悪い影響を与えることは、
これまでにも複数の疫学データで指摘をされていて、
そうした健康リスクを背景に、
イギリスでは砂糖税が導入されていることは、
これまでにも話題にしたことがあります。

ソフトドリンクの多飲による肥満は、
呼吸機能を低下させて喘息のリスクを高める可能性があり、
ソフトドリンクに含まれる糖質は、
炎症を惹起して、これも喘息の発症に、
結び付く可能性があります。

しかし、これまでの疫学データの内容は、
あまり精度の高いものではありませんでした。

今回の研究はこれまでの臨床データをまとめて解析する、
システマティックレビューとメタ解析ですが、
トータルで468636名の対象者の、
5万例を超える喘息事例を検証したところ、
ソフトドリンクを殆ど飲まない人と比較して、
最も多く飲む人は、
大人で37%(95%CI: 1.23から1.52)、
子供でも14%(95%CI: 1.06から1.21)それそれ有意に増加していました。

このように今回の検証でも、
ソフトドリンクを多く飲むことは、
その後の喘息の発症と結びついていました。

ただ、精度の高い研究は実際には少なく、
この問題は今後より厳密な方法で、
検証される必要がありそうです。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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