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阿佐ヶ谷スパイダース「桜姫」 [演劇]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は日曜日でクリニックは休診です。

休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
桜姫.jpg
阿佐ヶ谷スパイダースが歌舞伎の「桜姫東文章」を元にしたお芝居を、
吉祥寺シアターで上演しています。

元々シアターコクーン向けに書かれて未上演となった台本を、
今回使用して初めての公演とのことです。

これは南北の「桜姫東文章」とほぼ同じ筋立てを、
時代を第二次大戦後すぐくらいに移して、
生演奏を入れた音楽劇にしています。
芝居小屋かレビューっぽい雰囲気もありますし、
かつての黒テントのレビュー形式のお芝居に、
とてもよく似たスタイルです。

歌舞伎の原作はヒロインが仇討をしてめでたし、
という感じになりますが、
この作品ではその部分はもっと身もふたもない感じになり、
ヒロインは無雑作に殺されて、
戦地を潜り抜けた殺人マシーンのような虚無的な権助が、
キャストを皆殺しにして終わります。

ただ、どうなのだろう。
それほどショッキングでもないですし、
即物的に人が死んだり不幸になるのも、
悪くはないのですが、
それだけを延々と見せられても、
いささかゲンナリするような気分が否めません。

黒テントのまだ精力的に活動していた頃のお芝居などを、
観たことのない方には、
今回のような演出や古典の再構築は新鮮に見えるかも知れませんが、
僕などはさんざんにその洗礼は受けているので、
あまり新味は感じませんでしたし、
かと言って懐かしさも感じませんでした。

それでも、
内省的な作家の自分探しのような舞台よりは、
長塚さんの本領に近いお芝居というようには感じました。

もっとやるなら過激にやって欲しいな。

何か欲求不満気味の観劇でした。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。
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