松尾スズキ「命、ギガ長ス」 [演劇]
こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は土曜日で午前午後とも石田医師が外来を担当する予定です。
土曜日は趣味の話題です。
今日はこちら。
松尾スズキさんが大人計画とは別個に、
東京成人演劇部というユニットを立ち上げ、
その第一回公演として、
安藤玉恵さんとの2人芝居を今上演しています。
松尾スズキさんの作・演出で、
松尾さんの新作というのも、
かなり久しぶりという感じもします。
松尾さんの2人芝居というと、
その昔は温水洋一さんとのコンビがありましたし、
1回きりでしたが大竹しのぶさんとの2人芝居も、
なかなか充実したお芝居でした。
後2012年に「生きちゃってどうすんだ」という、
1人芝居の大傑作がありました。
なので今回も非常に楽しみにして出掛けました。
これまでのオムニバス的な少人数芝居とは違って、
今回の舞台は1時間40分ほどの、
ミニマムでまとまったお芝居になっています。
基本的には松尾さんが、
生まれてから働いたことのない、
50歳の引きこもりの中年を演じ、
安藤さんが彼の82歳の母親を演じています。
これは松尾さんが母親の介護をしていて、
そこから感じた思いが、
ベースになっているとインタビューで話されていました。
そこにその2人だけの家族を、
ドキュメンタリー映画に撮ろうという、
芸大生をもう1役として安藤さんが演じ、
その怪しげな指導教官を、
松尾さんがもう1役で演じます。
松尾さんの絵をあしらったシンプルなセットは趣がありますし、
後半には松尾さんらしいサプライズもあります。
ある役者さんが特殊効果を担当するという趣向も楽しいですし、
衣装や小道具にも随所にセンスを感じます。
とても楽しいお芝居で、
充実した時間を過ごすことが出来ました。
ただ、昔から松尾さんと大人計画が大好きな立場から言うと、
かなり大人しめで予定調和的なお芝居で、
その点にやや物足りなさを感じたことも確かです。
最後キレイに終わるでしょ。
こういうことは昔は嫌っていた筈で、
絶対やらなかったですよね。
後半アル中の妄想が認知症の妄想とリンクして、
お話が膨らむところも、
もっと破天荒に盛り上がってもいいですよね。
とても節度のある感じで、
お子様が見ても問題のないくらいの感じでしょ。
実際に見せたいのかも知れないですけどね。
テーマも、
端的に言えば、
「惨めに生き続けていいんだよ」
ということでしょ。
極めて穏当で、
文部省推薦(昔の表現です)と言ってもいいくらいですよね。
もっと羽目を外して、
目茶苦茶にして欲しかったな、
というのが正直なところですけど、
それはもう松尾さんの自由なのですから、
どうこう言う性質のものではないのだと思います。
松尾さんの今の心の中は、
多分以前と比べればかなり穏当で常識的になっているのかも知れません。
それで勿論良いのですけれど、
それで詰まらない感じもしてしまうのが、
藝術であり創作というものの難しさなのかも知れません。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は土曜日で午前午後とも石田医師が外来を担当する予定です。
土曜日は趣味の話題です。
今日はこちら。
松尾スズキさんが大人計画とは別個に、
東京成人演劇部というユニットを立ち上げ、
その第一回公演として、
安藤玉恵さんとの2人芝居を今上演しています。
松尾スズキさんの作・演出で、
松尾さんの新作というのも、
かなり久しぶりという感じもします。
松尾さんの2人芝居というと、
その昔は温水洋一さんとのコンビがありましたし、
1回きりでしたが大竹しのぶさんとの2人芝居も、
なかなか充実したお芝居でした。
後2012年に「生きちゃってどうすんだ」という、
1人芝居の大傑作がありました。
なので今回も非常に楽しみにして出掛けました。
これまでのオムニバス的な少人数芝居とは違って、
今回の舞台は1時間40分ほどの、
ミニマムでまとまったお芝居になっています。
基本的には松尾さんが、
生まれてから働いたことのない、
50歳の引きこもりの中年を演じ、
安藤さんが彼の82歳の母親を演じています。
これは松尾さんが母親の介護をしていて、
そこから感じた思いが、
ベースになっているとインタビューで話されていました。
そこにその2人だけの家族を、
ドキュメンタリー映画に撮ろうという、
芸大生をもう1役として安藤さんが演じ、
その怪しげな指導教官を、
松尾さんがもう1役で演じます。
松尾さんの絵をあしらったシンプルなセットは趣がありますし、
後半には松尾さんらしいサプライズもあります。
ある役者さんが特殊効果を担当するという趣向も楽しいですし、
衣装や小道具にも随所にセンスを感じます。
とても楽しいお芝居で、
充実した時間を過ごすことが出来ました。
ただ、昔から松尾さんと大人計画が大好きな立場から言うと、
かなり大人しめで予定調和的なお芝居で、
その点にやや物足りなさを感じたことも確かです。
最後キレイに終わるでしょ。
こういうことは昔は嫌っていた筈で、
絶対やらなかったですよね。
後半アル中の妄想が認知症の妄想とリンクして、
お話が膨らむところも、
もっと破天荒に盛り上がってもいいですよね。
とても節度のある感じで、
お子様が見ても問題のないくらいの感じでしょ。
実際に見せたいのかも知れないですけどね。
テーマも、
端的に言えば、
「惨めに生き続けていいんだよ」
ということでしょ。
極めて穏当で、
文部省推薦(昔の表現です)と言ってもいいくらいですよね。
もっと羽目を外して、
目茶苦茶にして欲しかったな、
というのが正直なところですけど、
それはもう松尾さんの自由なのですから、
どうこう言う性質のものではないのだと思います。
松尾さんの今の心の中は、
多分以前と比べればかなり穏当で常識的になっているのかも知れません。
それで勿論良いのですけれど、
それで詰まらない感じもしてしまうのが、
藝術であり創作というものの難しさなのかも知れません。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
2019-07-20 06:11
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