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サプリメントの種類と健康リスク [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は金曜日でクリニックは休診ですが、
老人ホームの診療などには廻る予定です。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
サプリメントと健康被害.jpg
2019年のJournal of Adolescent Health誌に掲載された、
青少年の使用するサプリメントのリスクについての論文です。

サプリメントというのは、
そもそもは通常の食生活で、
不足し易い栄養素や微量元素などの、
補充として使用する製品の意味合いですが、
今では病気の予防や健康の維持増進などのために、
役立つという触れ込みの商品全てを指すようになっています。

そこには、
ビタミン剤やグルコサミン、コンドロイチンなど、
一定の有効性が科学的にも示されているものもありますが、
体重減少効果や腸内洗浄効果、
精力増進や筋力増加など、
何の成分がどのように作用するのかも、
明確ではないものも多くあります。
アメリカでは精力増進や腸内洗浄などの効能を謳ったものが多いようですが、
日本ではダイエット効果や、
全身倦怠感への効果などを謳ったものが多いように思います。

国内外を問わず問題となるのは、
怪しげなサプリメントに限って、
青少年が使用するケースが多いということです。

今回の研究は、
アメリカのFDAに2004年から2015年に集積された、
サプリメントの有害事象のうち、
年齢が25歳以下に使用された977件を解析したものですが、
ビタミン剤と比較して、
筋力増強目的のサプリメントの健康被害のリスクは2.7倍(95%CI:1.9から4.0)となり、
体重減少目的のサプリメントも2.6倍(95%CI:1.9から3.4)、
エネルギー補給目的のサプリメントも2.6倍(95%CI:1.9から3.6)、
精力増進目的のサプリメントも2.4倍(95%ci:1.3から4.3)、
それぞれ有意に健康被害のリスクが増加していました。

このように一口にサプリメントと言っても、
ビタミン剤と、
筋力増強などの効能を謳ったサプリメントとは、
全く別個のものと考える必要があり、
特にその青少年の利用については、
濫用に結び付かないような対応が必要であるように思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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