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文楽「妹背山婦女庭訓」(2019年通し上演) [演劇]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は日曜日でクリニックは休診です。

休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
妹背山.jpg
国立劇場の文楽公演で、
大作の「妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)」が、
15年ぶりに通し上演されました。

最近文楽を観ていないのですが、
これだけは観なければ、と、
昼夜に日を分けて足を運びました。
午前の部が午前10時半から午後3時、
午後の分が午後3時45分から午後9時、
という長丁場です。

この作品はトリッキーで重層的な作風で、
円熟期の人形浄瑠璃を代表する作家の1人である、
近松半二の代表作で、
ほぼ完全な形の通し上演が今行われている、
数少ない文楽作品の1つです。

歌舞伎では何度か観ているのですが、
文楽ではこれまで観る機会を逸していて、
今回は楽しみにして出掛けました。

何と言っても三段目の妹山脊山の段が、
中央に吉野川を挟んで、
両側に2つの敵対する家を配置し、
語りと三味線も両側に分かれて掛け合いをするという、
現行文楽において最大のスケールと言って良い、
豪華絢爛壮絶戦慄の大傑作で、
前半は芝六住家を除けば、
ほぼこの場のための前置きと言って良い構成です。

人形も太夫も三味線も、
この場面にエース級が投入されていて、
後半両側の家を隔てていた襖が落ち、
悲劇が露わになる瞬間の戦慄は、
間違いなく文楽の素晴らしさを代表する一瞬でもあります。

ただ、太夫の力量によってその場面の凝集力にかなりの差があるのが、
文楽の特徴でもあり弱点でもあって、
残念に思う場面もありました。

正直20年くらい前と比較すると、
名人上手も少なくなって、
やや薄味にも感じる文楽ですが、
今回は久しぶりにその世界の豊穣さに触れる思いがしましたし、
時間的にはなかなか足を運べないのですが、
またそう遠くない時に鑑賞したいと改めて思いました。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。
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