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揚げ物の健康リスクについて [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は水曜日で診療は午前中で終わり、
午後は別件の仕事で都内を廻る予定です。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
揚げ物の健康リスクについて.jpg
2019年のBritish Medical Journal誌に掲載された、
フライドチキンなどの揚げ物の、
健康への影響についての論文です。

フライや天ぷらなどの揚げ物が、
健康に良くないというのは、
誰でも何となくそうかな、とは思うところです。

衣や油により高カロリーになりますし、
高温の油により食品の一部が変性して、
終末糖化産物やトランス脂肪酸など、
健康に有害な物質が産生されるという指摘もあります。

ただ、それに関する実証的で信頼のおける臨床データが、
そう多くあるという訳ではありません。

つまり、揚げ物の健康への害というのは、
多分に推測の部分が多いのです。

今回の研究はアメリカにおいて、
閉経後の50から79歳の女性、
トータル106966名を長期間観察した臨床データを活用して、
食事調査による揚げ物の摂取頻度と、
生命予後との関連を検証しています。

対象となっている揚げ物は、
フライドチキンとフライドフィッシュや牡蠣などのフライ、
フライドポテトなどが主です。

揚げ物を殆ど摂らない場合と比較して、
毎日1回は食べている人は、
総死亡のリスクが8%(95%Ci: 1.01から1.16)有意に増加していました。

これをフライドチキンのみで見てみると、
週1回食べているだけで、食べない場合と比較して、
総死亡のリスクが13%(95%CI: 1.07から1.19)、
心血管疾患による死亡のリスクが12%(95%CI: 1.02から1.23)、
それぞれ有意に増加していました。

また、魚や貝のフライのみで見ても、
週1回食べているだけで、食べない場合と比較して、
総死亡のリスクが7%(95%CI: 1.03から1.12)、
心血管疾患による死亡のリスクが13%(95%CI: 1.04から1.22)、
それぞれ有意に増加していました。

癌による死亡に関しては、
揚げ物トータルでも個別の揚げ物で見ても、
有意な関連は認められませんでした。

このように、
閉経後の女性に限った検証として、
揚げ物、特にフライドチキンや魚・貝のフライを食べる習慣は、
生命予後に若干の悪影響を与える可能性があるようです。

揚げ物は、
矢張りなるべく控えた方が健康には良いようです。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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