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「家(うち)へ帰ろう」 [映画]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は日曜日でクリニックは休診です。

休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
うちへ帰ろう.jpg
アルゼンチンのパブロ・ソラルス監督による、
珍しいスペイン・アルゼンチン合作映画が今公開されています。

これは東京はシネスイッチ銀座の単館ロードショーなんですよね。
昔はハリウッド映画中心の名画座だった館で、
「ひまわり」や「ドクトル・ジバゴ」、
「時計仕掛けのオレンジ」などを観たことを覚えています。
古くて居心地がかなり悪いのと、
ネット予約が出来ないのが難点です。

今時、ロードショーでネット予約不可というのは、
相当面倒ですよね。

ただ、頑張って観た甲斐はありました。

12月公開ですが、
昨年のうちに観ていれば、
間違いなく2018年のベスト5に入れていました。

背景にホロコーストを絡めた、
ユダヤ人の老人が、
ポーランドを目指して1人旅をするロードムービーで、
大甘の話ですが、
これは抜群にラストがいいですよね。
客席では高齢者中心の観客が、
皆オイオイと泣いていました。

泣かせなんですけど、
ド直球で、
今の映画というより、
「自転車泥棒」や「禁じられた遊び」のような、
古典的なテイストなのです。

ラスト以外の部分も、とてもシンプルな演出で、
語り口が明晰で柔らかいので、
重くて暗い話ではあるのですが、
とても自然に観ることが出来ます。
また、主役の俳優さんがとても自然で魅力のある芝居をしていて、
老人映画に特有の臭みがなく、
鑑賞後の気分をとても爽やかにしているのです。
日本でこうした映画を作ると、
上手くいって山田洋次作品みたいになるでしょ。
あのわざとらしさや不自然さが嫌ですよね。
この映画のように、
リアルで自然なテイストには絶対ならないと思うのです。
この自然さが素晴らしいですよね。

この映画はラストが抜群ですが、
それ以外にもじんわり胸が熱くなるような、
印象的な場面が幾つもあります。
その全てがストレートな表現で小気味よいのです。
以前最初の「ロッキー」を観て、
映画ってこんな単純でいいんだ!
と目から鱗の思いがありましたが、
それに近い新鮮さを感じました。

単館ロードショーで観るのは面倒ですが、
映画ファンであれば観て損はない、
観終わった後で心が少し綺麗になった気分になる傑作です。

とてもお薦めです。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。
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