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城山羊の会「埋める女」 [演劇]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は祝日でクリニックは休診です。

休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
埋める女.jpg
大好きな城山羊の会の新作公演に足を運びました。
しばらく公演の予定はないとのことで、
とても残念ですが、
またいつかの再開を期待したいと思います。

今回のお芝居は、
コーエン兄弟の映画みたいな味わいで、
何処までが真面目で、何処までがリアルなのか分からない、
手探りのような快感に満ちたドラマが展開し、
闇の中に1人置き去りにされるようなラストが待っています。

主役はトラック運転手の岩谷健司さんで、
彼が客席を向いて観客に向かって1人語りをする、
というスタイルで始まります。
その後も随所で観客を意識するようなやり取りがあり、
これは一体どういうことなのかしらと思っていると、
主人公に降りかかった災難から、
それがラストに繋がるという趣向です。
観劇後に、結局観客の僕達は、
何に見立てられていたのかしらと、
頭をひねって不思議な気分になるのです。

途中でいつものように、
偏執狂的なキャラの岡部たかしさんが入って来ると、
城山羊の会ワールドがいつものペースで展開されます。
適度なエロチックさと、
何かが隠された隠微な感じ、
適度な不条理のスパイス、
現代社会の構造を巧みに捉えたディテールなど、
そのひねった魅力は健在です。

後半の急展開が暴力を梃子にしているという点が、
ちょっと引っかかりはあるところです。
「自己紹介読本」の素晴らしさは、
それがエロスのみで成立した楽しさでした。

今回は最後までその独特の不条理とエロスと暴力が貫徹された、
城山羊の会のクオリティの高い標準作であった、
という印象です。

この世界にしばらく浸れないというのはとても残念ですが、
またの機会を待ちたいと思います。

またいつか素敵なお芝居を見せて下さい。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。
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