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悪い芝居「メロメロたち」(2018年再演版) [演劇]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は土曜日で午前午後とも石原が外来を担当します。

土曜日は趣味の話題です。
今日はこちら。
メロメロたち.jpg
関西で活躍する劇団、悪い芝居の「メロメロたち」を、
池袋のシアターウエストで観て来ました。

この劇団は初見です。

テイストとしては、
「劇団鹿殺し」や「柿喰う客」に似ています。
バンド演奏と演劇のリミックスのようなスタイルで、
やや荒んでいて退廃的で暴力に満ちた、
架空の戦中と戦後における、
音楽に生きた少年少女の姿を綴ります。

舞台は日本が東と西に分かれて、
内戦を続けているという世界で、
東日本出身のはぐれロックバンドが、
西日本で成功を収めるのですが、
そのカリスマボーカリストが、
ファンの少女にライブ中に焼き殺され、
戦後にバンドと少女の再生が描かれます。

破れかぶれのような、
なかなか面白いストーリーだと思うのですが、
バンド演奏の轟音とお芝居のパートが、
あまり綺麗に融合しているという感じではなく、
音楽自体も多くが楽曲の途中で中断されるという構成で、
2つが上手く噛み合わず、
むしろお互いをつぶし合っているように、
個人的には感じました。

それが意図的なものであることは分かるのですが、
矢張り音楽パートと芝居の部分を、
もっと明確に分けて表現した方が、
よりストーリーを深く観客に伝えることが、
出来たのではないかと思いました。
楽曲も悪くないので、
細切れにしか表現されないのは残念に思いました。

日本での内戦という設定は、
そこに何かを込めたかったのかしら、
とは思うのですが、
あまり有効には機能しておらず、
このままなら、別に戦争という設定は、
なくても成立するし、
その方が内容もすっきりするのでは、
というように感じました。

舞台効果としては、
バンドの音以外の要素が弱いと感じました。
少女がライブ中にロックスターを焼き殺す、
というのは相当に衝撃的な場面の筈ですが、
実際には舞台が照明で真っ赤になるだけの処理なので、
これは演劇としてはあまりに詰まらない、
というように思いました。

キャストは主人公の少女を演じた、
you tuberの渡邊みなさんがとても面白く、
ラストの関西弁の独白から歌に入るところは、
とても素敵で他にない個性を感じました。

それだけに、
もっとそこに的を絞って、
盛り上がるような展開にして欲しかったな、
というようには感じました。

まあでも、
僕のような観客は、
あまり対象としていないお芝居だと思うので、
アウェイの感想としてスルーして頂ければと思います。

頑張って下さい。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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