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KERA・MAP「修道女たち」 [演劇]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は日曜日でクリニックは休診です。
朝から東京国立博物館の特別展を覗いて、
今戻って来たところです。

休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
ケラ修道女たち.jpg
ケラさんのナイロン100℃とは別の企画公演、
KERA・MAPの第8回公演として、
6人の個性的な女優さんが、
架空の宗教の修道女を演じる新作公演に足を運びました。

ケラさんは多くのスタイルの芝居を書いていますが、
今回の作品はかなりシリアスに寄ったもので、
ナイロン100℃が上演した「消失」辺りに似たスタイルです。

ユニヴァーサル映画の、
フランシュタインやドラキュラものの舞台となっているような、
ヨーロッパらしき中世の田舎町で、
キリスト教に似た現地では異端の宗教の修道女達が、
迫害され命を狙われています。
葡萄酒に入れられた毒物のために、
47人の修道女のうち43人が殺されたところから、
物語は始まり、
何故か入信を希望した母娘の2人を含む6人の修道女に、
修道女希望の村娘と、
村の男が絡み、
雪に閉ざされた教会の中で、
死の間際の人間ドラマが展開されます。

例によってケラさんがこの作品の、
何処に面白さを抱いているのか、
観客に何を感じ取ってもらいたいのか、
なかなか図りがたいところもあるのですが、
舞台装置、音響、美術、映像といった、
舞台効果のクオリティは文句なく高く、
役者さんの芝居もアンサンブルを含めて抜群なので、
今回も有無を言わさず見せられてしまう、
という感じのお芝居です。

特にオープニングのプロジェクションマッピングと、
舞台セットのディテールの完成度は、
ケラさんの多くの舞台の中でも、
特筆すべきレベルのものであったと思います。

物語自体はほぼひねりのないもので、
悲劇的な状況が説明されるだけで、
その原因も背景も明らかにはされません。
ラストにはある種の救いが用意されているのですが、
画竜点睛を欠くという感じがしないでもありません。
ただ、舞台効果はなかなかで、
ちょっとほっとするような気分にもなりますから、
構成としてはこれで良いのだと思います。

ケラさんの作品としては、
新しい路線の習作的な感じものので、
これで完成されているということではないのだと思います。
これはこれとして、まだ今後の発展型を期待したいと思います。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。

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