「バッド・ジーニアス 危険な天才たち」 [映画]
こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は土曜日で、
午前午後とも石原が外来を担当する予定です。
土曜日は趣味の話題です。
今日はこちら。
2017製作の日本公開は珍しいタイ映画ですが、
とても評判が良かったので新宿武蔵野館で観て来ました。
高校生のアメリカ留学の権利に絡む、
試験のカンニングを扱った映画で、
中国で実際に起こったカンニング事件を元にして、
それを舞台をタイに置き換えてドラマ化したものです。
確か結構話題になって報道もされた事件ですね。
これはとても面白いですよ。
全編軽快かつスリリングに展開して、
130分という結構長尺を、
少しの緩みもなく一気に見せきる構成力が素晴らしく、
メインとなる高校生4人のキャラクターが、
とても練り上げられていて趣きがあるのです。
単純にカンニング事件を扱った、というものではなく、
少年少女が資本主義の世の中の「毒」に接触し、
それと向き合うという物語です。
その「毒」は4人を深く蝕んでゆくのですが、
そのうちの1人だけが、
それを乗り越えようとするところで、
物語は終わります。
最後までハラハラドキドキで、
先の読めない展開が続きますが、
ラストの処理はおや、という感じもあります。
父親の情愛のようなものが出て来るのは、
アジアン・テイストであるのかも知れません。
主人公の天才少女がいいですよね。
美人でも何でもない(失礼!)のですが、
その無愛想さが次第に魅力的に見えてくるのが素敵です。
ちょっとした感情表現が良く、
物語の中での成長が、
感じられるような演出も上手いのです。
最初と最後の印象が全く違うでしょ。
これが映画ですよね。
もう1人苦学生の相手役の男の子が、
また良い味を出しています。
窮屈な正義感が、不幸によって屈折する感じが、
これもとても素敵です。
こういう映画はハリウッドでも、
日本映画でも、韓国映画や中国映画でも、
素材としては同じように出来そうですし、
似た映画も既にあると思いますが、
そのテイストも対象との向き合い方も、
役者さんの感じもまた少し違っていて、
それがとても新鮮なのです。
その物語の裏打ちとなっている深層の倫理観のようなものも、
また今の日本の空気とはかなり違っていて、
それもとても興味深く鑑賞しました。
そんな訳でとてもとても面白い映画で、
凡百の日本映画の10本分は楽しめる快作です。
皆さんも是非ご覧下さい。
惹き付けられ、ハラハラし、
ちょっぴり切なくて、
そしてこの世界の残酷さと生きづらさについて、
少し深く考えさせる映画です。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は土曜日で、
午前午後とも石原が外来を担当する予定です。
土曜日は趣味の話題です。
今日はこちら。
2017製作の日本公開は珍しいタイ映画ですが、
とても評判が良かったので新宿武蔵野館で観て来ました。
高校生のアメリカ留学の権利に絡む、
試験のカンニングを扱った映画で、
中国で実際に起こったカンニング事件を元にして、
それを舞台をタイに置き換えてドラマ化したものです。
確か結構話題になって報道もされた事件ですね。
これはとても面白いですよ。
全編軽快かつスリリングに展開して、
130分という結構長尺を、
少しの緩みもなく一気に見せきる構成力が素晴らしく、
メインとなる高校生4人のキャラクターが、
とても練り上げられていて趣きがあるのです。
単純にカンニング事件を扱った、というものではなく、
少年少女が資本主義の世の中の「毒」に接触し、
それと向き合うという物語です。
その「毒」は4人を深く蝕んでゆくのですが、
そのうちの1人だけが、
それを乗り越えようとするところで、
物語は終わります。
最後までハラハラドキドキで、
先の読めない展開が続きますが、
ラストの処理はおや、という感じもあります。
父親の情愛のようなものが出て来るのは、
アジアン・テイストであるのかも知れません。
主人公の天才少女がいいですよね。
美人でも何でもない(失礼!)のですが、
その無愛想さが次第に魅力的に見えてくるのが素敵です。
ちょっとした感情表現が良く、
物語の中での成長が、
感じられるような演出も上手いのです。
最初と最後の印象が全く違うでしょ。
これが映画ですよね。
もう1人苦学生の相手役の男の子が、
また良い味を出しています。
窮屈な正義感が、不幸によって屈折する感じが、
これもとても素敵です。
こういう映画はハリウッドでも、
日本映画でも、韓国映画や中国映画でも、
素材としては同じように出来そうですし、
似た映画も既にあると思いますが、
そのテイストも対象との向き合い方も、
役者さんの感じもまた少し違っていて、
それがとても新鮮なのです。
その物語の裏打ちとなっている深層の倫理観のようなものも、
また今の日本の空気とはかなり違っていて、
それもとても興味深く鑑賞しました。
そんな訳でとてもとても面白い映画で、
凡百の日本映画の10本分は楽しめる快作です。
皆さんも是非ご覧下さい。
惹き付けられ、ハラハラし、
ちょっぴり切なくて、
そしてこの世界の残酷さと生きづらさについて、
少し深く考えさせる映画です。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
2018-10-06 06:50
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