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日焼け止めのメラノーマ予防効果 [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
日焼け止めのメラノーマ予防効果.jpg
2018年のJAMA Dermatology誌に掲載された、
お子さんの時の日焼け止めの使用と、
その後の皮膚癌であるメラノーマの発症との、
関連についての論文です。

メラノーマ(悪性黒色腫)は、
メラニン産生細胞から発症する悪性腫瘍で、
その予後が悪いことでも知られていますが、
皮膚に出来るメラノーマは、
紫外線や日焼けと関連の深いことが知られています。

それでは、子供の頃から日焼け止めを使用し、
紫外線をガードすることにより、
メラノーマを予防することは可能なのでしょうか?

これまでにその時点での日焼け止めの使用と、
メラノーマの発症リスクとの関連を検証した疫学データは幾つかあり、
一定の予防効果があるとする報告と、
無関係であったという報告があり一定していません。

今回の検証はオーストラリアにおいて、
18歳から39歳でメラノーマを発症した事例を、
年齢などでマッチングしたコントロールと比較し、
小児期における日焼け止めの使用と、
メラノーマリスクとの関連を検証しています。

その結果、
日焼け止めの使用が最も少ない群と比較して、
最も多い群ではその後の生涯のメラノーマの発症リスクが、
40%(95%CI: 0.42から0.87)有意に低下していました。
この予防効果は、
特に若年発症の事例や水疱を伴うような日焼けの既往のある事例において、
より高い傾向が認められました。

このように特に家族歴があるなどリスクの高い場合には、
お子さんの時期から適切に日焼け止めを使用することが、
メラノーマのリスクの予防には有効であるようです。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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