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「君の名前で僕を呼んで」 [映画]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は日曜日でクリニックは休診です。

休みの日は趣味の話題です。

今日はこちら。
君の名前で僕を呼んで.jpg
「モーリス」のジェームズ・アイボリーが脚本を書き、
新進気鋭のスタッフとキャストが顔を揃えた、
原作は異なりますが、
「モーリス」のリメイクといった狙いの映画です。

北イタリアの優雅な別荘で、
17歳の高校生の大学教授の息子と、
24歳の大学院生の青年が一夏の恋に落ちます。
今ならすぐに同棲、結婚の流れにもなるのですが、
時代は1983年に設定されていて、
その恋は秘めたるもののまま終わります。

物語は繊細かつ濃厚に、
その一夏の美形の男性同士の恋愛を、
ひたすらに綴って終わります。
それ以外の要素、社会性とか貧富の差とか、
性感染症とか上流社会の嫌らしさとか、
そうした余計なものは何もありません。
エリートの美少年が美しくホモセクシュアルな初恋をして、
切なくなってお終いです。
その意味でとても純粋な映画です。
ただ、イージーリスニング風のバロックに、
ポップス調の主題歌がポイントで被ったり、
電車の別れなどの如何にもの構図や、
水や果実などを使った露骨な性愛の象徴的表現など、
ちょっと昔の文芸映画のようでいて、
そのまがい物のような胡散臭さもなくはありません。

それでも、かつての同性愛の文芸映画の系譜を、
ここまで忠実に再現した辺りは、
演出にもなかなかの技量が伴っているとは言って良いと思います。

主役を演じているのは、
もう人気者のセレブ俳優アーミー・ハマーと、
新鋭でこれ以上はない美少年のティモシー・シャラメで、
ハマーはやや風格があり過ぎて、
大学院生というより助教クラスに見えますが、
いずれ劣らぬ美しさであることは確かで、
その2人が北イタリアの抜けるような青空の下、
ほぼ全編半裸での営みを繰り返すのですから、
個人的にはあまりそうした興味はないので、
それほどのめり込む感じにはなりませんが、
好きな方にはたまらないのではないかと思います。

映像は陰の部分の表現が素晴らしく、
夜の木陰の青さの複雑な階層であるとか、
昼間の家の中の日差しの当たらない部分の色合いなどが抜群で、
これは是非映画館で観て頂きたいと思います。

客席は女性中心で結構大入りになっていて、
その一方で男性客は、
「ああ、よく寝た」というような感想を漏らしている方が多い、
という印象でした。

そうした訳でかなり好みが分かれる映画ですが、
映像のクオリティは非常に高く、
こうしたものだと割り切って、その世界に浸り込めれば、
なかなか極上の後味が待っている映画だと思います。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。

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