低糖質と低脂質ダイエットの効果の比較 [医療のトピック]
こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は金曜日でクリニックは休診ですが、
老人ホームの診療などには廻る予定です。
それでは今日の話題です。
今日はこちら。
2018年のJAMA誌に掲載された、
カロリーには大きな違いはなく、
脂質を減らしたダイエットと糖質を減らしたダイエットの、
体重減少効果を比較した論文です。
肥満は世界的な健康の大問題で、
それは高度の肥満者が欧米に比べると少ない、
日本においても例外ではありません。
肥満の治療の柱となるのは、
減量のための生活指導ですが、
その主体となる食事療法については、
これが確実に他より優れている、
という科学的に立証されたダイエット法は存在しません。
ただ、カロリーを適切に制限すると共に、
脂質を主に制限するか、
糖質を制限するかの、
どちらかをすることがほぼ間違いなく含まれています。
そこには極端な制限を伴うものもあり、
もっと緩い制限に留まるものもあります。
以前は脂質を徹底的に制限することが、
一番の減量法であるような考え方が有力でしたが、
最近では国内外を問わず、
糖質の制限が注目をされるようになっています。
それでは、
脂質の制限と糖質の制限の、
どちらが健康的なダイエットのためには、
より有用性が高い方法なのでしょうか?
今回の研究はアメリカにおいて、
糖尿病がなく、BMIが28から40という肥満があり、
年齢が18から50歳の一般住民を公募し、
くじ引きで300人余りの2つの群に分けると、
一方は脂質制限を主体とするダイエットを、
もう一方は糖質制限を主体とするダイエットを指導して、
それを12ヶ月間持続してその有効性を比較しています。
脂質制限食は食用油、ナッツ、乳製品、肉の脂身などを制限し、
糖質制限では穀物、米、豆類や芋類などを制限します。
両群とも野菜の摂取は増加させるようにし、
砂糖やトランス脂肪酸、超加工食品などの制限も指導します。
運動の指導なども行っています。
カロリー制限はしていないものの、
両群とも500から600キロカロリー、
指導前より摂取カロリーは減少しており、
両群とも12ヶ月で5から6キロの体重減少効果が得られました。
両群でその効果に有意な差は認められませんでした。
遺伝的に糖質や脂質の代謝が異なる群で比較しても、
その2つのダイエットの間に差はなく、
インスリン抵抗性があるとより糖質制限の効果はありそうですが、
インスリン分泌毎にサブ解析をしても、
その群間の差はありませんでした。
この研究では、
総エネルギーに対する糖質の比率は、
脂質制限食で48%、糖質制限食で30%ですから、
それほどきつい糖質制限という訳ではなく、
その範囲での判断になるのですが、
このような緩い糖質制限と脂質制限は、
体重減少効果という点ではそれほどの差はないと、
そう考えても良さそうです。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は金曜日でクリニックは休診ですが、
老人ホームの診療などには廻る予定です。
それでは今日の話題です。
今日はこちら。
2018年のJAMA誌に掲載された、
カロリーには大きな違いはなく、
脂質を減らしたダイエットと糖質を減らしたダイエットの、
体重減少効果を比較した論文です。
肥満は世界的な健康の大問題で、
それは高度の肥満者が欧米に比べると少ない、
日本においても例外ではありません。
肥満の治療の柱となるのは、
減量のための生活指導ですが、
その主体となる食事療法については、
これが確実に他より優れている、
という科学的に立証されたダイエット法は存在しません。
ただ、カロリーを適切に制限すると共に、
脂質を主に制限するか、
糖質を制限するかの、
どちらかをすることがほぼ間違いなく含まれています。
そこには極端な制限を伴うものもあり、
もっと緩い制限に留まるものもあります。
以前は脂質を徹底的に制限することが、
一番の減量法であるような考え方が有力でしたが、
最近では国内外を問わず、
糖質の制限が注目をされるようになっています。
それでは、
脂質の制限と糖質の制限の、
どちらが健康的なダイエットのためには、
より有用性が高い方法なのでしょうか?
今回の研究はアメリカにおいて、
糖尿病がなく、BMIが28から40という肥満があり、
年齢が18から50歳の一般住民を公募し、
くじ引きで300人余りの2つの群に分けると、
一方は脂質制限を主体とするダイエットを、
もう一方は糖質制限を主体とするダイエットを指導して、
それを12ヶ月間持続してその有効性を比較しています。
脂質制限食は食用油、ナッツ、乳製品、肉の脂身などを制限し、
糖質制限では穀物、米、豆類や芋類などを制限します。
両群とも野菜の摂取は増加させるようにし、
砂糖やトランス脂肪酸、超加工食品などの制限も指導します。
運動の指導なども行っています。
カロリー制限はしていないものの、
両群とも500から600キロカロリー、
指導前より摂取カロリーは減少しており、
両群とも12ヶ月で5から6キロの体重減少効果が得られました。
両群でその効果に有意な差は認められませんでした。
遺伝的に糖質や脂質の代謝が異なる群で比較しても、
その2つのダイエットの間に差はなく、
インスリン抵抗性があるとより糖質制限の効果はありそうですが、
インスリン分泌毎にサブ解析をしても、
その群間の差はありませんでした。
この研究では、
総エネルギーに対する糖質の比率は、
脂質制限食で48%、糖質制限食で30%ですから、
それほどきつい糖質制限という訳ではなく、
その範囲での判断になるのですが、
このような緩い糖質制限と脂質制限は、
体重減少効果という点ではそれほどの差はないと、
そう考えても良さそうです。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
2018-03-23 06:05
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