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ヨーグルトの心血管疾患予防効果 [医療のトピック]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は金曜日でクリニックは休診ですが、
保育園の健診などには廻る予定です。

それでは今日の話題です。

今日はこちら。
ヨーグルトの心血管疾患予防効果.jpg
2018年のAmerican Journal of Hypertension誌に掲載された、
ヨーグルトの心血管疾患予防効果についての論文です。

ヨーグルトやチーズなどの発酵食品は、
その元となる牛乳とは、
その性質が異なり、
牛乳のみの摂取量と心血管疾患などとの関連は、
あまり良い結果が得られていない一方で、
ヨーグルトやチーズのみの摂取量で解析すると、
その予防効果が認められたという報告も、
これまでに散見されています。

今回の研究はアメリカで看護師と医療従事者を対象として施行された、
大規模な疫学データを再解析したものですが、
高血圧予防のために開発されたDASH食という食事療法と、
ヨーグルトの心血管予防効果との関連を、
高血圧の患者さんで共に検証しているという点に特徴があります。

DASH食というのは、
アメリカで研究開発された、
高血圧の予防と改善のための食事です。
飽和脂肪酸とコレステロールを減らし、
野菜や果物を増やして蛋白質はバランス良く摂取する、
というのがその特徴です。

トータルで高血圧のある55898名の看護師の女性のデータと、
同じく18232名の医療従事者の男性のデータを解析したところ、
ヨーグルトの摂取量と心血管疾患(心筋梗塞と脳卒中を併せたもの)リスクには、
負の相関が認められました。
要するにヨーグルトを摂取しているほど、
心血管疾患のリスクは低下していたのです。

月に1カップもヨーグルトを摂取しない場合と比較して、
週に2カップ以上ヨーグルトを摂取していると、
女性で17%(95%CI: 0.74から0.92)、
男性で21%(95%CI: 0.66から0.96)、
それぞれ有意に心血管疾患のリスクは低下していました。

これをDASH食を実践している群に限って解析すると、
女性で16%(95%CI: 0.73から0.96)、
男性で30%(95%CI: 0.57から0.85)と、
男性ではより高いリスクの低下を認めました。

健康的な食事習慣と共に、
高血圧の患者さんが週に2回以上ヨーグルトを摂ることは、
心血管疾患のリスクをより低下するために、
有用な方法である可能性があるようです。

これまでの知見からも考えると、
成長期を過ぎた大人では、
乳製品の摂取はヨーグルトやチーズを主体とする方が、
生活習慣病の予防のためには良い可能性が高いと思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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