「プラハのモーツァルト 誘惑のマスカレード」 [映画]
こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は土曜日なので趣味の話題です。
今日はこちら。
チェコとイギリスの合作で、
全編チェコのプラハを舞台に、
モーツァルトを主人公にした映画です。
もう終わりかけの時期に、
滑り込みで鑑賞しました。
軽い感じの映画に思えましたが、
難しい映画が大好きな評論家の白井佳夫さんが、
割と褒めていたので、
どんなものかな、と思って観たのです。
結果的には、
詰まらなくはなかったのですが、
わざわざ映画館で観るほどとも思えませんでした。
「フィガロの結婚」が大人気のプラハから呼ばれたモーツァルトが、
そこで新作オペラの「ドン・ジョバンニ」を完成させ、
プラハで初演したのは、歴史的事実です。
そこでモーツァルトが魅力的な若い歌手と恋に落ち、
プラハの男爵で悪魔的な人物との三角関係から、
悲劇的な結末を迎える、
というフィクションを加えて、
その女性への思いを込めた作品として、
「ドン・ジョバンニ」が完成する、
という締め括りになっています。
モーツァルトのオペラの設定が、
映画のストーリーの随所に織り込まれていて、
「フィガロの結婚」と「ドン・ジョバンニ」については、
音楽もふんだんに使われています。
実際の事件を元にして、
「ドン・ジョバンニ」が創作された、
という設定になっているので、
特に「ドン・ジョバンニ」の筋は知らないと、
物語が少し分かり難いと思います。
それでは、
オペラに詳しいとより楽しめるのかと言うと、
必ずしもそうではありません。
映画では、好色な権力者の男爵が、
ドン・ジョバンニのモデルとなっているのですが、
実際のオペラはそうではなく、
悪党である反面、
全ての女性を虜にしてしまうような、
男性的魅力に満ちた人物としても描いているのです。
そうした点に矛盾がありますし、
実際にはオペラには台本があって、
モーツァルトの創作という訳でもないのです。
オペラ好きとしては、
モーツァルトの生きていた時代の上演の実際を、
再現して見せて欲しい、
という希望があるのですが、
映画はその点も物足りません。
音は明らかに今の楽器のもので、
古楽ではありませんし、
観客のブラボーの拍手やスタンディングオベーションも、
あまりに今の劇場の雰囲気のままで、
絶対にこの時代にはなかった、という気がします。
現地のオケを使い全編がプラハでロケされているなど、
趣のある映画ではあるのですが、
悲恋のロマンスとしてもややパンチ不足で、
オペラの使い方にも少し不満があって、
トータルには納得のゆく映画ではありませんでした。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は土曜日なので趣味の話題です。
今日はこちら。
チェコとイギリスの合作で、
全編チェコのプラハを舞台に、
モーツァルトを主人公にした映画です。
もう終わりかけの時期に、
滑り込みで鑑賞しました。
軽い感じの映画に思えましたが、
難しい映画が大好きな評論家の白井佳夫さんが、
割と褒めていたので、
どんなものかな、と思って観たのです。
結果的には、
詰まらなくはなかったのですが、
わざわざ映画館で観るほどとも思えませんでした。
「フィガロの結婚」が大人気のプラハから呼ばれたモーツァルトが、
そこで新作オペラの「ドン・ジョバンニ」を完成させ、
プラハで初演したのは、歴史的事実です。
そこでモーツァルトが魅力的な若い歌手と恋に落ち、
プラハの男爵で悪魔的な人物との三角関係から、
悲劇的な結末を迎える、
というフィクションを加えて、
その女性への思いを込めた作品として、
「ドン・ジョバンニ」が完成する、
という締め括りになっています。
モーツァルトのオペラの設定が、
映画のストーリーの随所に織り込まれていて、
「フィガロの結婚」と「ドン・ジョバンニ」については、
音楽もふんだんに使われています。
実際の事件を元にして、
「ドン・ジョバンニ」が創作された、
という設定になっているので、
特に「ドン・ジョバンニ」の筋は知らないと、
物語が少し分かり難いと思います。
それでは、
オペラに詳しいとより楽しめるのかと言うと、
必ずしもそうではありません。
映画では、好色な権力者の男爵が、
ドン・ジョバンニのモデルとなっているのですが、
実際のオペラはそうではなく、
悪党である反面、
全ての女性を虜にしてしまうような、
男性的魅力に満ちた人物としても描いているのです。
そうした点に矛盾がありますし、
実際にはオペラには台本があって、
モーツァルトの創作という訳でもないのです。
オペラ好きとしては、
モーツァルトの生きていた時代の上演の実際を、
再現して見せて欲しい、
という希望があるのですが、
映画はその点も物足りません。
音は明らかに今の楽器のもので、
古楽ではありませんし、
観客のブラボーの拍手やスタンディングオベーションも、
あまりに今の劇場の雰囲気のままで、
絶対にこの時代にはなかった、という気がします。
現地のオケを使い全編がプラハでロケされているなど、
趣のある映画ではあるのですが、
悲恋のロマンスとしてもややパンチ不足で、
オペラの使い方にも少し不満があって、
トータルには納得のゆく映画ではありませんでした。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
2018-01-13 08:28
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