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2017年の演劇を振り返る [演劇]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

大晦日、皆さん如何お過ごしでしょうか?

今日は今年の演劇を振り返ります。

今年は以下の公演に足を運びました。

1.NODA MAP 「足跡姫」
2.「テアトロコント」2017年1月(ミズタニーなど)
3.庭劇団ペニノ「ダークマスター」(リニューアル再演)
4.シアターコクーン・オンレパートリー2017「陥没」
5.オクイシュージ「安心」
6.革命アイドル暴走ちゃん「Crazy Girls Save The World」
7.M&O playsプロデュース「皆、シンデレラがやりたい。」
8.地下空港「サファリング・ザ・ナイト」
9.ベッド&メイキングス「あたらしいエクスプロージョン」
10.三谷幸喜「不信」
11.SPAC「真夏の夜の夢」(野田秀樹脚本)
12.アガリスク・エンターティメント「時をかける稽古場2.0」
13.ほりぶん「得て」(再演)
14.タクフェス「わらいのまち」
15.劇団☆新感線「髑髏城の七人 Seasen花」
16.水族館劇場「この世のような夢」
17.サディスティックサーカス(2017年春)
18.TEAM JACKPOT「怒れる人たち」
19.クロムモリブデン「空と雲とバラバラの奥さま」
20.ジョビジョバライブ「Keep On Monkeys」
21.釣瓶噺2017
22.新ロイヤル大衆舎「王将」(第3部)
23.劇団チョコレートケーキ「60'Sエレジー」
24.シス・カンパニー「黒塚家の娘」(北村想新作)
25.根本宗子「新世界ロマンスオーケストラ」
26.M&playsプロデュース「少女ミウ」(岩松了新作)
27.吉田大八「クヒオ大佐の妻」
28.シベリア少女鉄道「たとえば君がそれを愛と呼べば、」
29.イキウメ「天の敵」
30.福原充則「俺節」
31.風煉ダンス「まつろわぬ民」
32.唐組「ビンローの封印」
33.劇団道学先生「梶山太郎氏の憂鬱と微笑」
34.チェルフィッチュ「部屋に流れる時間の旅」
35.カムカムミニキーナ「狼狽」
36.青年団「さよならだけが人生か」
37.ワンツーワークス「アジアン・エイリアン」
38.ゴキブリコンビナート「法悦肉按摩」
39.鴻上尚史「ベター・ハーフ」(再演)
40.マーム&ジプシー「^^^ かえりの合図、まってた食卓、そこ、きっとー」
41.シンクロ少女「シンクロ・ゴッサム・シティ」
42.シス・カンパニー「子供の事情」(三谷幸喜新作)
43.鵺的「奇想の前提」
44.ナカゴー「ていで」
45.赤堀雅秋「鳥の名前」
46.日本総合悲劇協会「業音」
47.福田雄一台本「ヤング・フランケンシュタイン」
48.M&Oplayプロデュース「鎌塚氏、腹におさめる」(倉持裕新作)
49.ままごと「わたしの星」
50.シアターコクーン・オンレパートリー2017「プレイヤー」
51.サムゴーギャットモンテイプ「NAGISA巨乳ハンター」
52.フエルサブルータ
53.ナカゴー特別劇場「地元のノリ」
54.FUKAIPRODUCE羽衣「瞬間光年」
55.かはづ書屋「巨獣(ベヒモス)の定理」
56.アガリスクエンターティメント「そして怒濤の伏線回収」
57.カンニング竹山単独ライブ「放送禁止2017」
58.こまばアゴラ劇場「を待ちながら」(山下澄人と飴屋法水のコラボ)
59.森山直太朗「あの城」
60.柴幸男「わたしが悲しくないのはあなたが遠いから」(2ヴァージョン)
61.日本のラジオ「カーテン」
62.前川知大「関数ドミノ」(寺十吾演出初演版)
63.ヘドウィグ&アングリーインチ スペシャルショー(キャメロン・ミッチェル出演)
64.ほりぶん「牛久沼」
65.月刊「根本宗子」第14号「スーパーストライク」
66.劇団☆新感線「髑髏城の七人Season風」
67.イキウメ「散歩する侵略者」
68.タクフェス「ひみつ」
69.唐組「動物園が消える日」
70.庭劇団ペニノ「地獄谷温泉無明ノ宿」(再演KAAT)
71.ナイロン100℃「ちょっと、まってください」
72.ピンター「管理人」(森新太郎演出)
73.チェルフィッチュ「三月の5日間」
74.シベリア少女鉄道「残雪の轍 / キャンディポップベリージャム」
75.ブス会「男女逆転版痴人の愛」
76.M&Oplaysプロデュース「流山ブルーバード」(赤堀雅秋新作)
77.劇団チョコレートケーキ「熱狂」
78.穂の国とよはし芸術劇場PLATプロデュース「荒れ野」(桑原裕子新作)
79.URASUJI2017「ちんもく」
以上の79本です。

それ以外に歌舞伎を今年は数本観ています。
1.演舞場新春大歌舞伎(昼の部)
2.演舞場新春大歌舞伎(夜の部)
3.歌舞伎座三月大歌舞伎(夜の部 海老蔵の助六)
4. ABIKAI2017
5. 歌舞伎座七月大歌舞伎(夜の部)
6. 歌舞伎座八月納涼歌舞伎(第2部)

昨年とほぼ同じくらいの本数です。
年の後半は色々と臨時の仕事が入って、
もう少し観たい演劇があったのですが、
だいぶ観ることを断念しました。

特に昨年ベスト1の城山羊の会の新作を、
観ることが出来なかったのと、
劇団チョコレートケーキの「あの記憶の記録」を、
観ることが出来なかったことは残念でした。

今年の私的なベスト5はこちらです。

①シス・カンパニー「子供の事情」
http://rokushin.blog.so-net.ne.jp/2017-07-29
2017年の三谷幸喜さんの新作の中では、
この作品が抜群の完成度だったと思います。
キャストも天海祐希さん、大泉洋さんを初めとして、
これでもかという豪華版で、
内容もいい大人に小学生を演じさせて、
自分の少年時代を再現しようというのですから、
如何にも三谷さんらしい自己愛の押しつけですし、
もの凄くあざといなあ、とは思うのですが、
そのこちらの思いを乗り越えるような贅沢さと、
圧倒的な面白さには素直に兜を脱ぐという思いがしました。
正直とても好きという訳ではないのですが、
今年一番観て面白かった芝居というと、
これになるのかなと思います。

②ままごと「わたしの星」
http://rokushin.blog.so-net.ne.jp/2017-08-26
ままごとは「わが星」という大傑作がありますが、
その姉妹編とも言うべき「わたしの星」が今回再演されました。
ただ、新たな高校生キャストを公募し、
それに合わせて台本も大幅にリライトして演出も変えているので、
今回は新作の扱いとしてここに入れました。
人間の多くが地球を離れた未来を舞台にしたSFですが、
キャラも新鮮でノスタルジックで甘酸っぱい感動があり、
とても愛すべき素敵な芝居でした。

③月刊「根本宗子」第14号「スーパーストライク」
http://rokushin.blog.so-net.ne.jp/2017-10-22-1
2017年も精力的に活動された根本さんですが、
本人を含む4人だけのキャストのこの新作は、
屈折した恋愛模様の描出の仕方に根本さんらしさが溢れ、
緻密に組み上げられたセットや美術も楽しい快作でした。

④ナカゴー特別劇場「地元のノリ」
http://rokushin.blog.so-net.ne.jp/2017-09-03
本当に精力的に活動を続けている、
唯一無二の変な劇団ナカゴーですが、
その中ではこのENBUゼミの発表会用に作った作品を、
膨らませたこの作品が、
登場人物のほぼ全てが河童か動物という奇想が抜群で、
ナカゴーの真髄を感じさせる傑作でした。

⑤こまばアゴラ劇場「を待ちながら」(山下澄人と飴屋法水のコラボ)
http://rokushin.blog.so-net.ne.jp/2017-10-01
アゴラ劇場の楽屋を観客誘導用の通路として使用し、
俳優としても登場した演出の飴屋さんは、
被ったフェンシングマスクの中で大量の爆竹を爆発させる、
という荒技で度肝を抜きました。
それ以外にもランドセルを背負った血まみれの小学生が、
お腹からはみ出した腸を振り回して一輪車で登場するなど、
今はもう絶滅危惧種と言って良いアングラ趣向が炸裂の怪作で、
これからも飴屋さんからは目が離せません。
ただ、作品としても密度は、
演劇としてそれほど高いものではありませんでした。

これ以外には、
ベスト5には入れませんでしたが、
今乗りに乗っている感じのある赤堀雅秋さんの、
「鳥の名前」と「流山ブルーバード」という2本の新作が、
いずれも完成度の高い荒くれの芝居で感心しました。
これからも絶対観続けたいと思います。
また戯曲の完成度という点では、
年末に観た桑原裕子さんの「荒れ野」が絶妙でした。
あの作品はまた演出を変えて、
是非再演して欲しいと思います。

最後にこれだけは言いたい、
再演での絶品2本です。

①庭劇団ペニノ「地獄谷温泉無明ノ宿」
http://rokushin.blog.so-net.ne.jp/2017-11-11
これは間違いなくペニノの代表作で、
タニノクロウさんが自分の祖母の思い出を、
田舎の温泉宿として徹底したリアリズムで、
舞台上に完璧なセットとして完成したその執念に、
とても感銘を受けました。
これまでの難解な作品の数々と比べると、
驚くほど分かりやすいストーリーの本作ですが、
ちゃんとペニノらしい得体の知れない感じも残っています。
繊細な照明や音効の完成度も素晴らしいと思います。
寺山修司の流れを汲む、
セットや演出に役者は奉仕するタイプの芝居ですが、
こうしたものが1つくらいあってもいいですよね。

②日本総合悲劇協会「業音」
http://rokushin.blog.so-net.ne.jp/2017-08-19
松尾スズキの問題作の1つ「業音」が、
初演以来久しぶりに再演されました。
これは非常に完成度の高い舞台で、
奇想に満ちた筋立てとキャストの大暴れを含めて、
これぞ松尾スズキという世界を見せてくれました。
せっかくなら新作が観たかったですし、
平岩紙さんが脱がないのは画竜点睛を欠く感じがありますが、
これぞ大人計画、これぞ松尾スズキ、
という1本であったと思います。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い年の瀬をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。
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