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「エンドレス・ポエトリー」 [映画]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は土曜日で午前午後とも石原が外来を担当する予定です。

今日は土曜日なので趣味の話題です。

今日はこちら。
エンドレス・ポエトリー.jpg
チリの出身で「エル・トポ」や「ホーリー・マウンテン」など、
奇怪で残酷でグロテスクで、
豊穣な想像力に満ちた映画を撮ったホドロフスキー監督の、
自伝的な映画「エンドレス・ポエトリー」が、
今ロードショー公開されています。

ホドロフスキー監督では、
個人的には「エル・トポ」が大好きで、
最初はウェスタン的設定から入り、
「ルパン三世」のようなテイストもあって、
後半は奇怪な宗教残酷劇にまで飛翔します。

今回の作品はホドロフスキーの自伝的な復活作、
「リアリティのダンス」の正統的な続編で、
青年期のホドロフスキーの若き芸術家の卵としての、
南米チリのサンティアゴでの生活が描かれ、
ラストは海を越えてヨーロッパへと旅立つところで終わります。

ラストには独裁者的で暴君の父親との、
和解の場面が用意されていて、
物語としてはとてもオーソドックスな仕上がりです。

ただ、オープニングから奇怪でグロテスクな場面が、
次々と展開され、最近では観ることの少ない、
「藝術家の妄想」系の映画として、
とても楽しく観ることが出来ました。

フェリーニの「アマルコルド」や、
寺山修司の「田園に死す」に近いイメージであり世界ですが、
イタリアや日本とはまた違う、
ドロドロと熱情がたぎるような、
南米の雰囲気が独特で、
鑑賞後はちょっと熱に浮かされたような気分になります。

実際のホドロフスキー監督が登場して、
かつての自分に指南をしますし、
かつての自分を演じているのも、
かつての自分の父親を演じているのも、
自分の実際の息子という、
究極の自己愛的映画ですから、
こういうものを受け付けない方には、
「何をやっているんだ馬鹿」という感想になるのだと思いますが、
最近はこういう堂々と「自分が大好きです」
というようなタイプの藝術家は少なくなりましたし、
ある意味父親以上の暴君として、
映画の世界を支配しているのですから、
これはもうとことん楽しむしかないのです。

フェリーニや寺山修司が好きな方には絶対のお薦めですし、
かつてのホドロフスキー監督作品のお好きな方にも、
派手さやギラギラした感じは大分減りましたが、
その映画愛と自己愛の強さは健在ですから、
お薦めしたいと思います。

好きです。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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