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歌舞伎座八月納涼歌舞伎(2017年第二部) [演劇]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は土曜日で、
午前中は石田医師が外来を担当し、
午後は石原が担当する予定です。

今日は土曜日なので趣味の話題です。

今日はこちら。
8 月歌舞伎座.jpg
今年の8 月の歌舞伎座納涼歌舞伎に足を運びました。

歌舞伎座の8月というのは、
幹部は夏休みという習わしで、
若手中心のキャストとなり、
通常は1日2部構成なのが3部構成となって、
入場料も割安になる、
というのが通常でした。
そのために他の月は「大歌舞伎」となるのですが、
今月は「納涼歌舞伎」となっているのです。

ただ、現在は1等席が通常の18000円が15000円、
と言う程度のディスカウントですから、
あまりお得感はありませんし、
キャストも猿之助も染五郎も勘九郎も出ているのですから、
他の月とそれほど変わっている印象もありません。
勿論吉右衛門や玉三郎、菊五郎などは8月には絶対に出演しませんから、
それは違うと言えば違うのですが、
一般の観客にとっては、
殆ど違いはなくなっている、と思います。

どれを観るかは迷ったのですが、
久しぶりに團子がお父さんと一緒に出るので、
第2部を選択することにしました。

最初の「修善寺物語」は岡本綺堂の新歌舞伎で、
なかなか味わい深い小品ですが、
彌十郎の夜叉王というのは、
鬼の気迫には乏しく、
やや迫力不足で物足りなくは感じました。

眼目の染五郎と猿之助コンビによる東海道中膝栗毛は、
昨年に引き続いた新作歌舞伎で、
若手オールスター総出演の感のある豪華な座組です。

昨年のものはお伊勢参りという骨格は残しながら、
途中でラスベガスに飛ばされるなどのぶっ飛んだ話で、
意外に歌舞伎味もありました。

今回は続編として何をするのかと思っていると、
シンプルに歌舞伎座で起こる殺人事件で、
それをいつもの面々が推理する、
と言う内容になっています。

殺人事件が起こるのが義経千本桜の四の切りの舞台裏、
という設定になっているので、
実際の歌舞伎座の舞台で、
その実際の舞台裏が見られるという趣向になっているのです。

そんな訳で凝った設定の舞台ではあったのですが、
残念ながら昨年のような盛り上がりは希薄で、
やや欲求不満気味の作品になってしまいました。

一番の原因は捕り物帳仕立ての
推理劇のスタイルであったことで、
ドタバタもあるのですが、
基本的には殺人現場の舞台での推理の遣り取りとなって、
せっかくの賑やかな舞台が、
何となく停滞する結果になってしまいました。

染五郎と猿之助のコンビも、
ボソボソとしゃべり、
ダラダラと動くと言う感じで、
僕が観た日だけのことなのかも知れませんが、
まるで覇気がなくガッカリしました。

これはもう企画の失敗であったように思います。

それでも、團子と金太郎のコンビは楽しく、
中車の昆虫談義や、
児太郎の堂に入った悪婆ぶりなどもなかなかで、
それなりに楽しんで歌舞伎座を後にしました。

歌舞伎はこの10年くらいでその変質が甚だしく、
「何が歌舞伎か?」という境界も極めて曖昧模糊として来ました。
薄味の舞台も多くその流れには賛同はしかねますが、
しぶとく時代に順応し、
生き残りを図って行くという辺りが、
歌舞伎の現在の特徴と言えるのかも知れません。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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