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水族館劇場「この丗のような夢・全」 [演劇]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は土曜日ですが祝日なのでクリニックは休診です。
ただ、ほぼ1日クリニックでレセプト作業などの予定です。

今日は土曜日なので趣味の話題です。
今日はこちら。
この世のような夢.jpg
大掛かりな野外舞台で有名な水族館劇場が、
先日まで新宿の花園神社で公演を行いました。

水族館劇場は九州出身の、
遅れて来たアングラという感じの劇団で、
今では本当に珍しい大規模な仮設舞台と、
危険極まりない手作りの大仕掛けの数々が魅力です。

ちょっとこちらをご覧ください。
水族館劇場①.jpg
今回の舞台を後ろから見たところです。
見た目は正直味も素っ気もないのですが、
ともかく巨大なセットです。
客席は階段状になっていて、
非常に高さがあるのが特徴です。
テント芝居というのは通常ここまで高さのあるものではなく、
仮設劇場という感じに近いのですが、
手作りでこれだけの大きさというのは途方もないですし、
屋根はあるものの背後は空がそのまま見えていて、
その開放感も魅力です。

この高さがあるので、
上空から降り注ぐ大量の水がド迫力ですし、
吊り物がダイナミックなのも凄いと思います。

次をご覧ください。
水族館劇場②.jpg
舞台裏にセッティングされた、
工事用のクレーンとそこに付けられた飛行機のセットです。
この装置を利用して、
役者を乗せた飛行機が、
荒っぽく宙を舞います。

大劇場であれば、
「ミス・サイゴン」ならヘリコプターが、
舞台上に轟音と共に降りて来ますから、
別に目新しい訳ではないのですが、
人力の飛行機は、
ややたどたどしいスタッフのクレーン操作により、
ギシギシと不気味に不安定に動き、
今にも舞台の柱に激突してしまいそうですし、
舞台の池にはなぜか本物の鯉が泳ぎ、
そこから大量の水が噴水として噴出すると、
ビニール製の巨大な龍が舞い上がります。
全ては大雑把で猥雑で荒々しく、
この荒くれ具合がアングラの魅力です。

僕は駒込大観音で2回、
三軒茶屋の神社で2回、
これまで水族館劇場は観ていて、
今回が5回目です。

舞台装置は本当に魅力的なのですが、
作品自体は完成度の高いものではなく、
舞台転換はけたたましい音を立てて、
時間が掛かりますし、
台本は公演中にも完成していないことがしばしばあり、
役者さんがまだ台詞を覚えていなかったりすることも、
ままありました。

ただ、今回は昨年上演した作品を一部改訂しての上演、
ということもあったのだと思いますが、
作品のまとまりは悪くなく、
役者さんも比較的台詞をスムースに出せる人が多かったので、
これまで僕が観た作品の中では、
一番演劇としての質は高かったと思います。

舞台装置も、
水が噴出するプールのセットと、
左右に分割される2つの回り舞台は、
これまでの4回の公演と基本的には同じものでしたが、
後半に登場するパノラマ島のセットが、
自然物を取り込んだ比較的バランスの良いもので、
最後の屋台崩しを含めて、
これまででは最も楽しむことで出来ました。

水族館劇場にはやはり何回か練り上げての上演を、
今後は期待したいと思います。

いずれにしても、
色々と不満はあるのですが、
今では貴重な荒くれアングラ大芝居であることは間違いがなく、
今後も是非荒くれの芝居を続けて欲しいと思います。
場所は花園神社はあまりに定番でゴミゴミしているので、
もうちょっと町はずれのような場所がいいな、
とは思いますが、
今回が集客は多かったように思いますので、
矢張り利便性と知名度からすれば、
この方が正解なのかも知れません。

頑張って下さい。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。
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