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大原三千院阿弥陀如来石仏(売炭翁石仏) [仏像]

こんばんは。
北品川藤クリニックの石原です。

先刻奈良から戻って来たところです。
今回は暑さがきつすぎて、
ちょっと仏像を拝観するような感じではありませんでした。

今日は京都大原三千院の境内にいらっしゃる、
京都随一と言っても良い、
古仏の石仏を観て頂きます。

それがこちらです。
三千院石仏2.jpg
京都大原の三千院には、
苔の庭にわらべ地蔵という、
愛らしい表情をした地蔵石仏が点在していますが、
あれは勿論新しいものです。

こちらは鎌倉時代中期に作られたことが、
ほぼ確実な石仏で、
大きさも2メートルを超える半丈六と言って良い大きさのものです。

石仏は室町後期以降のものと、
それ以前のもの、特に鎌倉時代までのものとは、
その貴重さと藝術的な価値、
そしてある種の精神性のようなものが、
まるで異なります。

室町後期以降の石仏というのは、
工房の制作するある種の「商品」となってしまうので、
作品の数はぐっと増えるのですが、
唯一無二の仏としての実在感や感銘は、
あまりないものとなってしまうのです。

京都は古都ですが、
鎌倉時代に遡る石仏は殆どありません。

その意味でこの三千院の石仏は、
その完成度の高さと大きさも含めて、
非常に貴重な仏様なのです。

今は簡素な覆い屋に入っていますが、
野ざらしになっていた時期が長かったのでしょうか、
お顔などはかなり摩耗しています。
ただ、そのフォルムの美しさと高い精神性には、
摩耗して尚、唯一無二の風格があります。

もう少し近づきましょう。
三千院石仏1.jpg
石仏というより、木彫に近いような完成度の高いフォルムです。
欲を言えば均整が取れすぎていて、
やや訴える力には弱いような気がしますが、
さすが古仏という素晴らしさが全体に漂っています。

真夏はきついので、
次回は少し気候の良い時に、
もう一度拝観したいと思いました。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。
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