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ヒトラー、最後の20000年~ほとんど、何もない~ [演劇]

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後とも石原が外来を担当します。

今日は土曜日なので趣味の話題です。

今日はこちら。
ヒトラー、最後の20000年.jpg
ケラさんが古田新太さんと組んで、
下ネタも入れたナンセンスコメディを追求したシリーズの新作として、
「ヒトラー最後の20000年」が今本多劇場で上演中です。

このシリーズは好きで毎回観ています。

完全なネタバレはしませんが、
鑑賞予定の方は、
以下は鑑賞後にお読みください。

前作はただのナンセンスと思いの外、
原発事故を笑いのめすような、
かなり際どい作品でした。

今回もヒトラーで、
何か最近発言が多い政権批判ネタでもするのかしら、
中途半端にそういう感じなのは嫌だなあ、
と思っていたのですが、
実際の作品は完全なナンセンスコメディで、
時事ネタはありませんでした。

オープニングはいきなりの反則で開演という感じで、
とても楽しく観ることが出来ました。
それから1945年の天国(?)になるのですが、
そこもなかなか良い感じです。

ただ、その後アンネの日記をモチーフにした、
こじんまりした家族劇が主体になると、
正直かなりボルテージが落ちます。

日本人と黒人の親子が出て来て、
やや人種ネタで笑いを取ったりするのも、
どうかなあ、という感じがして乗り切れません。

「最後の20000年」というタイトルからは、
もっと壮大な時間を股に掛けるような感じを期待するのですが、
実際にはアンネの日記の時代に裸探偵がタイムスリップして、
ヒトラーを改心させてユダヤ人の虐殺を止めさせよう、
という話がメインになるので、
かなりこじんまりした感じになるのが面白くありません。
ヒトラーの実際の映像を出して、
無関係のテロップで笑わせよう、
というような趣向も、
ありきたりで乗れませんでした。

ラストはメタフィクション的になりますし、
蜷川さん追悼スペクタクル的な趣向もあり、
お客さんいじり的な部分もあって、
それなりに楽しめますが、
役者が素に戻るようなところまでは行かないので、
そこも少し食い足りない感じがしました。

役者さんは良かったと思います。

古田新太さんも生き生きとしていましたし、
大倉孝二さんの神様は、
最近の舞台では一番乗っていたように思いました。
賀来賢人さんがなかなかの好演でとぼけた味を出していました。

そんな訳でナンセンスに徹底した姿勢自体は、
とてもステキで良いなと思ったのですが、
せっかくヒトラーという、
最強のキャラを主人公として出していながら、
何かその強みを十全には活かしていないような、
モヤモヤした出来栄えになったいたことが、
少し残念に感じました。

ヒトラーをナンセンスな笑いに変えるのは、
矢張りかなりハードルの高い作業であるようです。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。
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