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20歳の国「保健体育B」 [演劇]

こんにちは。

北品川藤クリニックの石原です。

今日からクリニックも3連休に入ります。

また奈良に出掛ける予定です。

休みの日は趣味の話題です。

今日はこちら。
20歳の国.jpg
主催の竜史さんが国王の国家という体裁の、
「20歳の国」という劇団の新作公演が、
先日まで下北沢の駅前劇場で上演されました。

この劇団は初見です。
ただ、今回のキャストは、
元ヨーロッパ企画の山脇唯さんや、
シベリア少女鉄道の小関えりかさんら、
小劇場ファンにはお馴染みの面々が並びます。

これは共学の高校での生徒同士の恋愛と、
教師同士や教師と生徒との恋愛模様を、
女性が4人に男性8人という、
男女比2対1のキャストで描いたもので、
カラオケが小道具として使用され、
台詞は全体に結構生々しいのですが、
歌とダンスが挟まれて全編はリズミカルに展開します。

これは結構楽しく観ることが出来ました。

強烈な個性を感じるような劇作ではないのですが、
役柄は巧みに描き分けられていて、
1人の女性が2人の男性の間を揺れ動き、
そうした関係が4種類あって、
同時に進行するというかなり複雑な構成が、
極めて明晰に整理されています。

特にラスト近くで、
宇多田ヒカルが大音量で流れる中、
男と女の4組のカップルが語らい、
それから女が相手の男を変えて、
また同じように語らうことを繰り返す、
シンメトリックな場面は、
物語性と演出とが高いレベルで一体化していて、
小劇場ならではの密度の高い場面だと感じました。

ただ、物語の中心となる場面は、
4組の男女が裸で愛し合い語り合う光景を、
これも同時多発的に見せる部分なのですが、
男性はトランクスのみの姿で抱き合うのに対して、
女性は皆そのままの制服やスーツなどの衣装のままで、
演じています。

この不自然さにはガッカリしました。
こうした場面を取り入れるのであれば、
女性も裸体にならなければ、
何より自然でありませんし、
それが色々の制約で出来ないのであれば、
こうした場面を作るべきではないと思います。

それから、カラオケや大音量のJポップで、
リズミカルにドラマを展開させていながら、
ラストは何気ない会話で唐突かつしんみりと終わるのは、
あまり良い趣向とは思えませんでした。
青年団や岩松了の悪い影響を受けていると思います。

役者さんはなかなか達者で個性的なメンバーが揃っていて、
演技の競演も楽しめますし、
オープニングにカラオケで注意事項を説明しつつ、
一気に物語になだれ込むオープニングも、
なかなか良い感じです。

もう何度か観てみたいと思いました。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。
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