「レヴェナント 甦えりし者」 [映画]
こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は日曜日でクリニックは休診です。
今日は何もなければ一日のんびり過ごすつもりです。
休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
ディカプリオのアカデミー賞でも話題の「レヴェナント」を観てきました。
これは年代的には西部劇で、
アメリカ開拓時代の物語です。
ディカプリオはバッファロー狩りのハンターで、
狩猟の最中に先住民に襲われ、
逃げる途中でクマに襲撃されて重症を負うと、
トム・ハーディ演じる仲間に裏切られて、
同行した息子を殺された上に置き去りにされます。
そこからディカプリオの決死のサバイバルが始まり、
生還すると、
今度はトム・ハーディへの追跡と復讐劇が展開されます。
本当にシンプルにそれだけの筋が、
3時間近い上映時間で展開されるのですが、
舞台設定や背景などの説明は一切なく、
台詞も非常に少なく切り詰められていて、
感覚的で強烈な映像のみが主役、
という性質の作品です。
ジャンルとしては、
「ラスト・オブ・モヒカン」とか、
「グリーン・デスティニー」の系譜の作品で、
超人的な登場人物が、
復讐のような極めて人間的で底の浅い激情のドラマを、
過酷な大自然の中で、
いつ果てるともなく続けるうちに、
人間界を離れ、
いつしか神の世界に達する、
という話です。
僕はこういうタイプの話がとても好きで、
あまり小説などでは出会えないタイプの興奮と感動があるので、
映画の本質的な部分ではないかしら、
というように思っています。
そんな訳で、
疲れていると観るのはしんどい感じはあるのですが、
映像は圧倒的で、
ラストはもうひと押しあっても良いのではないか、
という気はしましたが、
まずまず納得して劇場を出ることが出来ました。
ラストはディカプリオは敵を倒し、
人間の世界を離れて、
妻の待つ神の領域に踏み込む訳で、
俗な言い方をすれば死ぬ訳ですし、
別の言い方をすれば、
置き去りにされた時点で、
人間としては死んでいて、
その後の人間離れした行動は、
全て幻想のような幽霊のような、
そうしたものかも知れないという訳です。
それをどちらでもなく表現出来るのが、
ある意味映画の魔術であり、
最も魅力的な部分なのです。
これはそうした映画です。
映像は過去の色々な映画的遺産を、
巧みに取り込んでいるように思いました。
水の流れを延々と追ったり、
壁画の残る破壊された教会で、
壊れた鐘が動き続けているイメージカットなどは、
露骨にタルコフスキーですし、
オープニングの戦闘の質感は、
「プライヴェート・ライアン」や「フルメタル・ジャケット」だと思います。
吹雪の荒野を先住民と2人で彷徨うのは、
「デルス・ウザーラ」ですし、
ラストの2人の対決は、
ちょっとマカロニ・ウェスタンが入っていて、
カメラのレンズに血が飛んだりするカットもあります。
それでいて意外に統一感が取れているのが、
監督の腕で、
ワンカットで途中から動物が出て来たりするのは、
絶対にCGだと思うのですが、
そう感じさせない質感で、
白い大自然の風景に溶け込んでいます。
ただ、個人的には、
長回しで途中から動物との格闘になったり、
途中で延々と崖を落ちたりするのは、
少しやりすぎのように感じました。
そんなことをワンカットで出来る訳がないので、
結局は画面を加工してCGも使っているのだな、
ということが分かってしまい、
長回しのワクワク感が減弱してしまうからです。
そうしたカットは、
あのクマに襲われる場面のみで良かったのではないでしょうか?
ディカプリオは熱演で、
アカデミー賞は納得ですが、
普段のディカプリオとの落差が評価されるのは、
本末転倒のようにも思います。
もっと役柄の中での振幅が、
評価されるべきではないでしょうか?
トム・ハーディも良かったのですが、
彼は矢張りマックスのようなヒーローで観たいですね。
個人的には2人のキャストが逆であった方が、
映画としては落ち着いたような気がします。
それでは今日はこのくらいで。
皆さんも良い休日をお過ごし下さい。
石原がお送りしました。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は日曜日でクリニックは休診です。
今日は何もなければ一日のんびり過ごすつもりです。
休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
ディカプリオのアカデミー賞でも話題の「レヴェナント」を観てきました。
これは年代的には西部劇で、
アメリカ開拓時代の物語です。
ディカプリオはバッファロー狩りのハンターで、
狩猟の最中に先住民に襲われ、
逃げる途中でクマに襲撃されて重症を負うと、
トム・ハーディ演じる仲間に裏切られて、
同行した息子を殺された上に置き去りにされます。
そこからディカプリオの決死のサバイバルが始まり、
生還すると、
今度はトム・ハーディへの追跡と復讐劇が展開されます。
本当にシンプルにそれだけの筋が、
3時間近い上映時間で展開されるのですが、
舞台設定や背景などの説明は一切なく、
台詞も非常に少なく切り詰められていて、
感覚的で強烈な映像のみが主役、
という性質の作品です。
ジャンルとしては、
「ラスト・オブ・モヒカン」とか、
「グリーン・デスティニー」の系譜の作品で、
超人的な登場人物が、
復讐のような極めて人間的で底の浅い激情のドラマを、
過酷な大自然の中で、
いつ果てるともなく続けるうちに、
人間界を離れ、
いつしか神の世界に達する、
という話です。
僕はこういうタイプの話がとても好きで、
あまり小説などでは出会えないタイプの興奮と感動があるので、
映画の本質的な部分ではないかしら、
というように思っています。
そんな訳で、
疲れていると観るのはしんどい感じはあるのですが、
映像は圧倒的で、
ラストはもうひと押しあっても良いのではないか、
という気はしましたが、
まずまず納得して劇場を出ることが出来ました。
ラストはディカプリオは敵を倒し、
人間の世界を離れて、
妻の待つ神の領域に踏み込む訳で、
俗な言い方をすれば死ぬ訳ですし、
別の言い方をすれば、
置き去りにされた時点で、
人間としては死んでいて、
その後の人間離れした行動は、
全て幻想のような幽霊のような、
そうしたものかも知れないという訳です。
それをどちらでもなく表現出来るのが、
ある意味映画の魔術であり、
最も魅力的な部分なのです。
これはそうした映画です。
映像は過去の色々な映画的遺産を、
巧みに取り込んでいるように思いました。
水の流れを延々と追ったり、
壁画の残る破壊された教会で、
壊れた鐘が動き続けているイメージカットなどは、
露骨にタルコフスキーですし、
オープニングの戦闘の質感は、
「プライヴェート・ライアン」や「フルメタル・ジャケット」だと思います。
吹雪の荒野を先住民と2人で彷徨うのは、
「デルス・ウザーラ」ですし、
ラストの2人の対決は、
ちょっとマカロニ・ウェスタンが入っていて、
カメラのレンズに血が飛んだりするカットもあります。
それでいて意外に統一感が取れているのが、
監督の腕で、
ワンカットで途中から動物が出て来たりするのは、
絶対にCGだと思うのですが、
そう感じさせない質感で、
白い大自然の風景に溶け込んでいます。
ただ、個人的には、
長回しで途中から動物との格闘になったり、
途中で延々と崖を落ちたりするのは、
少しやりすぎのように感じました。
そんなことをワンカットで出来る訳がないので、
結局は画面を加工してCGも使っているのだな、
ということが分かってしまい、
長回しのワクワク感が減弱してしまうからです。
そうしたカットは、
あのクマに襲われる場面のみで良かったのではないでしょうか?
ディカプリオは熱演で、
アカデミー賞は納得ですが、
普段のディカプリオとの落差が評価されるのは、
本末転倒のようにも思います。
もっと役柄の中での振幅が、
評価されるべきではないでしょうか?
トム・ハーディも良かったのですが、
彼は矢張りマックスのようなヒーローで観たいですね。
個人的には2人のキャストが逆であった方が、
映画としては落ち着いたような気がします。
それでは今日はこのくらいで。
皆さんも良い休日をお過ごし下さい。
石原がお送りしました。
2016-04-24 09:57
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