伊藤計劃「ハーモニー」 [小説]
こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は祝日でクリニックは休診です。
今日も遅い更新になってしまいました。
休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
34歳で癌のために亡くなったSF作家、
伊藤計劃さんの作品を、
遅ればせながらまとめ読みしました。
完成された長編は2編のみで、
「虐殺器官」とこの「ハーモニー」です。
僕は「虐殺器官」の方は、
あまり乗らなくて、かなりしんどい思いで読了したのですが、
この「ハーモニー」はなかなか面白くて感銘を受けました。
健康がテクノロジーで管理された世界で、
何故か突然に集団自殺事件が起こるというストーリーが魅力的で、
「人間の意識そのものが悪である」というテーマも斬新です。
医療ネタの一種でもありますし、
僕の大好物の話です。
「虐殺器官」の方は、
「虐殺言語」という、
内戦や民族紛争、
それに伴う集団殺戮を自動的に生じさせるような、
言語の体系がある、という話で、
それはそれで面白いのですが、
シリアの内戦やISの脅威などの今の世の中を見ると、
そうした「暴力」の説明には、
それはなっていないので、
その意味で違和感をもってしまうのです。
その一方「ハーモニー」のの、
「自我の誕生こそ不幸の本質で生命の正統な進化を脅かす」
という主張は、
今の社会においても、古びてはいないと思うのです。
この両作品において、
ラストでは「究極の未来」が実現してしまうので、
その辺りの構想力は面白いなあ、
と思います。
いずれにしても、
「人間がテクノロジーの粋を集めて建造した、
100%安全なユートピアに、
何故か自殺やシリアルキラーが横行する」
というのは僕が非常に魅力を感じる筋立てで、
何かこうした方向で新しい物をひねり出せないかと、
日々頭をひねっているところなのです。
それでは今日はこのくらいで。
皆さんも良い休日をお過ごし下さい。
石原がお送りしました。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は祝日でクリニックは休診です。
今日も遅い更新になってしまいました。
休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
34歳で癌のために亡くなったSF作家、
伊藤計劃さんの作品を、
遅ればせながらまとめ読みしました。
完成された長編は2編のみで、
「虐殺器官」とこの「ハーモニー」です。
僕は「虐殺器官」の方は、
あまり乗らなくて、かなりしんどい思いで読了したのですが、
この「ハーモニー」はなかなか面白くて感銘を受けました。
健康がテクノロジーで管理された世界で、
何故か突然に集団自殺事件が起こるというストーリーが魅力的で、
「人間の意識そのものが悪である」というテーマも斬新です。
医療ネタの一種でもありますし、
僕の大好物の話です。
「虐殺器官」の方は、
「虐殺言語」という、
内戦や民族紛争、
それに伴う集団殺戮を自動的に生じさせるような、
言語の体系がある、という話で、
それはそれで面白いのですが、
シリアの内戦やISの脅威などの今の世の中を見ると、
そうした「暴力」の説明には、
それはなっていないので、
その意味で違和感をもってしまうのです。
その一方「ハーモニー」のの、
「自我の誕生こそ不幸の本質で生命の正統な進化を脅かす」
という主張は、
今の社会においても、古びてはいないと思うのです。
この両作品において、
ラストでは「究極の未来」が実現してしまうので、
その辺りの構想力は面白いなあ、
と思います。
いずれにしても、
「人間がテクノロジーの粋を集めて建造した、
100%安全なユートピアに、
何故か自殺やシリアルキラーが横行する」
というのは僕が非常に魅力を感じる筋立てで、
何かこうした方向で新しい物をひねり出せないかと、
日々頭をひねっているところなのです。
それでは今日はこのくらいで。
皆さんも良い休日をお過ごし下さい。
石原がお送りしました。
2016-01-11 17:03
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