イキウメ「語る室」 [演劇]
こんにちは。
石原藤樹です。
今日は日曜日ですが、
10月1日の北品川藤クリニック開業に向け、
備品の購入などに廻る予定です。
世間は大連休ですね。
今日は日曜日なので趣味の話題です。
今日はこちら。
イキウメの新作公演「語る室」が、
今池袋の東京芸術劇場で上演されています。
その初日に足を運びました。
上演前のチラシの説明では、
イキウメ別館カタルシツをベースにして、
3つの物語を役者が語る、
というオムニバスの趣向のように書かれていましたが、
実際には本公演の新作になっていました。
ただ、役者が時々正面を向いて、
独白を長く客席に語りかける、
という形式は部分的に残っています。
今回はしばらくぶりの客演になる、
板垣雄亮さんが個人的には楽しみで、
中嶋朋子さんも客演しています。
常連の女優さんである、
伊勢佳世さんと岩本幸子さんは、
いずれも今回は出演していません。
内容は、時空が歪んだような、
ちょっと奇妙な出来事が田舎町に起こる、という、
前川知大さんお馴染みの、
SF風味のドライなファンタジーですが、
前作の「聖地X」のようなシャープな感じではなく、
余白の多い、
ほのぼのした牧歌的な雰囲気の作品です。
それはそれで悪くないのですが、
僕は前川さんの、
トリッキーでシャープな感じが好きなので、
正直何か物足りない感じがしたことは事実です。
以下ネタバレを含む感想です。
2000年に田舎町で、
1人の園児と送迎バスの若い運転手が姿を消し、
その園児の母と、
母の弟の警官、
そして運転手の兄は、
お互いに相手を攻撃して深刻な対立をし、
ようやく5年後に和解します。
その2005年が主に舞台となるのですが、
そこでは板垣雄亮さん演じるインチキ霊媒師が、
霊柩車のような車を盗まれ、
誰かを待っているのですが、
その誰かは現れず、
誰かを探して不思議なヒッチハイカーの兄妹が現れます。
その登場人物の不思議ですれ違いのやり取りが、
やがてジグソーパズルのように繋がり、
ラストは牧歌的な野外の鍋パーティーで締めくくられます。
倉持裕の「ワンマン・ショー」に、
似た雰囲気を感じました。
同じ場面が何度か繰り返され、
時空のずれが、
最初の謎を別方向から解決します。
ただ、前述のように、
今回の超常現象は、
記憶という情報を底の底まで辿ると、
そこで時空の壁が取り払われる、
というくらいのファジーなものなので、
「ああ、そういうことなのか!」
と謎が解けて膝を打つような感じはなく、
「そんなこともあるかもね」
というくらいのもので、
前川さんのトリッキーな世界に期待すると、
やや失望する感じは否めません。
しかし、このゆるい感じが、
身を委ねると心地良い感じもあり、
イキウメの新傾向と、
捉えるべきなのかも知れません。
演出は一時のような、
様式的で失敗しているようなものではなく、
かつてのシンプルなスタイルに復帰しています。
役者は皆安定感があり、
安心して観ることが出来ます。
正体不明の少年のようであった、
大窪一衛さんは、
何故か前川知大さんにそっくりのビジュアルでした。
これは狙いでしょうか?
それでは今日はこのくらいで。
皆さんも良い休日をお過ごし下さい。
石原がお送りしました。
石原藤樹です。
今日は日曜日ですが、
10月1日の北品川藤クリニック開業に向け、
備品の購入などに廻る予定です。
世間は大連休ですね。
今日は日曜日なので趣味の話題です。
今日はこちら。
イキウメの新作公演「語る室」が、
今池袋の東京芸術劇場で上演されています。
その初日に足を運びました。
上演前のチラシの説明では、
イキウメ別館カタルシツをベースにして、
3つの物語を役者が語る、
というオムニバスの趣向のように書かれていましたが、
実際には本公演の新作になっていました。
ただ、役者が時々正面を向いて、
独白を長く客席に語りかける、
という形式は部分的に残っています。
今回はしばらくぶりの客演になる、
板垣雄亮さんが個人的には楽しみで、
中嶋朋子さんも客演しています。
常連の女優さんである、
伊勢佳世さんと岩本幸子さんは、
いずれも今回は出演していません。
内容は、時空が歪んだような、
ちょっと奇妙な出来事が田舎町に起こる、という、
前川知大さんお馴染みの、
SF風味のドライなファンタジーですが、
前作の「聖地X」のようなシャープな感じではなく、
余白の多い、
ほのぼのした牧歌的な雰囲気の作品です。
それはそれで悪くないのですが、
僕は前川さんの、
トリッキーでシャープな感じが好きなので、
正直何か物足りない感じがしたことは事実です。
以下ネタバレを含む感想です。
2000年に田舎町で、
1人の園児と送迎バスの若い運転手が姿を消し、
その園児の母と、
母の弟の警官、
そして運転手の兄は、
お互いに相手を攻撃して深刻な対立をし、
ようやく5年後に和解します。
その2005年が主に舞台となるのですが、
そこでは板垣雄亮さん演じるインチキ霊媒師が、
霊柩車のような車を盗まれ、
誰かを待っているのですが、
その誰かは現れず、
誰かを探して不思議なヒッチハイカーの兄妹が現れます。
その登場人物の不思議ですれ違いのやり取りが、
やがてジグソーパズルのように繋がり、
ラストは牧歌的な野外の鍋パーティーで締めくくられます。
倉持裕の「ワンマン・ショー」に、
似た雰囲気を感じました。
同じ場面が何度か繰り返され、
時空のずれが、
最初の謎を別方向から解決します。
ただ、前述のように、
今回の超常現象は、
記憶という情報を底の底まで辿ると、
そこで時空の壁が取り払われる、
というくらいのファジーなものなので、
「ああ、そういうことなのか!」
と謎が解けて膝を打つような感じはなく、
「そんなこともあるかもね」
というくらいのもので、
前川さんのトリッキーな世界に期待すると、
やや失望する感じは否めません。
しかし、このゆるい感じが、
身を委ねると心地良い感じもあり、
イキウメの新傾向と、
捉えるべきなのかも知れません。
演出は一時のような、
様式的で失敗しているようなものではなく、
かつてのシンプルなスタイルに復帰しています。
役者は皆安定感があり、
安心して観ることが出来ます。
正体不明の少年のようであった、
大窪一衛さんは、
何故か前川知大さんにそっくりのビジュアルでした。
これは狙いでしょうか?
それでは今日はこのくらいで。
皆さんも良い休日をお過ごし下さい。
石原がお送りしました。
2015-09-20 08:08
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