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吉田寺「丈六阿弥陀如来坐像」 [仏像]

こんにちは。
石原藤樹です。

六号通り診療所での診察も、
残すところ2日となりました。

まだやらないといけないことは多く、
プレッシャーもきつく、
やり切れるかどうか分かりません。
今は全身を神経のようにして、
やれることをやれるスピードでやるだけです。

今日は土曜日なので趣味の話題です。

今日はこちら。
吉田寺.jpg
奈良の斑鳩町、
法隆寺にほど近い場所にある吉田寺(きちでんじ)の本尊、
丈六阿弥陀如来坐像のお姿です。

ちょっと知名度的には地味な存在なのですが、
ご覧のように、
極めて完成度の高いフォルムをしています。
平安時代の後期に造られたものだとされていますが、
本丈六と言って、
このままお立ちになると5メートルを超える、
座像でもお身体だけで2メートルを超える、
非常に大きな仏様ですが、
それでいて、
工芸品のような完成度を示しています。

特徴的な光背は江戸時代のもので、
そう思って見ると、
ちょっと詰めの甘い感じがあるのですが、
お身体とのマッチングはしっかりと出来ていて、
お身体の金箔が、
状態良く残っているのが良いのです。
当初からのものではないと思いますが、
江戸時代に塗り直したような金箔は、
もっと大雑把で下品な感じのものになるので、
そうではないと思います。

お顔にちょっと神秘的な感じがあります。
これも平安時代の末頃の所謂定朝様の規格品の仏様には、
ない特徴であるように思います。

この仏様は、
本堂に続く収蔵庫に安置されていて、
薄暗い中、
お堂の奥に仄かに金色に輝いているように見えます。

この神秘的な感じが非常に良くて、
金箔を貼られた仏像本来の姿を、
昔の人になったような気分で、
そのまま感じることが出来ます。

まさに陰翳礼讃の世界です。

大谷﨑が言われるように、
暗闇の中で仄かに光る金色ほど、
美しくも幽玄なものはなく、
確かに浄土というのは、
そうしたものではないかというようにも思えます。

今はほぼ失われたその感触が、
斑鳩の古寺にひっそりと残っていることが、
一段と味わい深く思われるのです。

拝観環境はまずまずなのですが、
僕が行った時には、
ご住職はいらっしゃらずに、
遠目に仏様を拝むことしか出来ませんでした。
ネットの情報などを見ると、
お近くで拝観させて頂くことも可能であったようなので、
その辺りは不公平に少し感じました。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

何とか今日一日僕も走り続けることが出来ますように。

石原がお送りしました。
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コメント 2

akemi

こんにちは
以前先生がご紹介くださった石仏さまもそうですが,
今回のシリーズも遠い古の人に
私をも少し近づけてくれるように思います。
素敵だなぁ。

新院のシンボルマーク? も良い雰囲気ですね。
あと2日の診察とご準備と・・・
心身ともに張り詰めていらっしゃると思います。
どうぞご自愛下さいませ。

by akemi (2015-08-29 08:54) 

sasaki

先生 甲状腺のことで大変丁寧なアドバイスをいただいた佐々木です。
お蔭様で順調に暮らせてましたがまた困ったことが起きまして先生に相談しようと先日ブログを拝見してましたら六郷通り診療所の所長を退任されて開業なさるとのこと。慣れ親しんだ名前だったので寂しいような嬉しいような。。。
日々開業に向けてお忙しいようでしたので29日最後にお世話になったことでご挨拶に伺おうと思ってましたが控えました。
数年前よりアドバイス受けてからブログは毎日拝見してます。
「健康で100歳を迎えるには医療常識をしんじるな!」もよんでます。そうなんだと大変勉強になります。また落ち着かれたらメール相談コーナー開設してください。
相談希望です。






by sasaki (2015-08-30 14:17) 

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