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生瀬勝久・明石家さんま「七人ぐらいの兵士」 [演劇]

こんにちは。
六号通り診療所の石原です。

今日は日曜日で診療所は休診です。
ただ、朝から用事があるので、
もう少ししたら出掛けます。

今日は日曜日なので趣味の話題です。

今日はこちら。
七人ぐらいの兵士.jpg
生瀬勝久の戯曲を水田伸生が演出し、
明石家さんまが主演で15年前に上演された舞台が、
今シアターコクーンで再演されています。

これは意外に良かったです。

生瀬勝久さんの戯曲が、
非常にしっかりとした仕上がりで、
今風の戦争ものではなく、
一昔前の「軍隊喜劇」みたいなパターンを、
醸し出しているのが良いと思いますし、
主役の明石家さんまの演じる屈折した芸人の造形が、
善悪を超えたところで、
なかなか巧みに出来ていました。

ストーリーは中国大陸で戦時中に取り残された部隊が、
結局は全滅するという悲劇なのですが、
明石家さんまと生瀬勝久が、
漫才コンビを演じ、
生瀬の妹がさんまの恋人と言う設定で、
その女性が病気で死に、
その時の対応から決別した2人が、
皮肉にも戦場で再開する、
という設定になっています。

仲の悪いお笑いコンビというのは、
ニール・サイモンの「サンシャインボーイズ」ですが、
生瀬さんが妹の死に慟哭する辺りは、
彼が以前演じた、
三好十郎の「浮標」が反映されているように思いました。

軍隊喜劇としても悪くない出来栄えですし、
色々な趣向を取り入れて、
要所はしっかり盛り上がるように構成されていますし、
かなり屈折した主人公をさんまに演じさせているのが面白く、
今回はお笑いというより、
演技者としてのさんまさんが光っていたように思います。

演出はテレビのディレクターですが、
フジテレビ系の誰かさんとは違って、
演技に寄り添った、
余計なことはあまりしない演出を心掛けているのが、
好感が持てます。

競演陣は生瀬さんに、同じそとばこまち出身の山西淳、
温水洋一、中村育二、八十田勇一、恵俊明彰と手練れが揃い、
ホモを演じた森田甘路さんは、
何処かで見たなと思ったら、
「イニシエーション・ラブ」でした。

元カクスコの中村育二さんの連隊長の渋さが良く、
温水洋一さんの大暴れもさすがです。
恵さんも極めて巧みにさんまさんをフォローしていました。
内田有紀さんも、
こんなにおきれいだったかしら、
と見直すような可憐さで、
ラストではしっかりと涙を流していました。

さんまさんは前述のように、
今回は役柄としての芝居がなかなかに良く、
複雑な人物造形に血肉を与えていました。
お笑いモンスターとしても、
勿論楽しくはあったのですが、
ご年齢的にこうした舞台はギリギリと感じる部分もありました。
恵さんや山西さんを始めとして、
周りのフォローは涙ぐましいほどで、
それがやや見えてしまうところに、
ちょっと辛さを感じる部分もあったのです。

どうせ遊びのようなものだと、
軽視されている方がいれば、
決してそんなことはないと、
声を大にして言いたいと思います。

意外にお薦めです。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。
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コメント 2

desidesi

「イニシエーションラブ」での森田甘路さんは役にハマっていて、
なかなか良かったと思いますが、webにもデータがあまりないようです。
舞台に出ていらっしゃる方なのですね〜♪ (๑◔‿◔๑) お笑い芸人さんかと思った。
明石家さんまさんのガチの “舞台” というのは興味深いですね。
by desidesi (2015-07-12 14:38) 

fujiki

desidesiさんへ
森田甘路さんは、
ケラさんのナイロン100℃の所属ですが、
もう退団されているのかも知れません。
これまでも何度か舞台で見ている筈なのですが、
それほど印象はありませんでした。
映画は印象的でしたし、
今回の舞台も良かったと思います。

by fujiki (2015-07-12 22:05) 

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