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デング熱情報あれこれ [仕事のこと]

こんにちは。
六号通り診療所の石原です。

朝から健診結果の整理などして、
それから今PCに向かっています。

それでは今日の話題です。

先日デング熱の東京の事例について、
比較的まとまった話を聞きましたので、
今日はそのことを記事にしたいと思います。

代々木公園を中心としたデング熱事例は、
もう150例を超えていて、
終息傾向は明らかですが、
それでもポツポツとまだ新規の患者さんが報告されています。

患者さんの年齢分布は20代に多く、
お子さんは4歳から報告がありますが、
比率的には10歳未満は極少数です。

しかし、先日聞いた感染症科のある総合病院の報告では、
特に皮疹も見られず、
発熱が持続したお子さんに、
念の為と思って迅速キットの検査をしたところ、
陽性であった、という事例があったようです。
同様の事例は他にもあります。
皮疹は出現しているケースもありますが、
デング熱に特有の皮疹というものはなく、
溶連菌感染症などと判断されてもおかしくはないものです。

現行最もデング熱の感染を疑う兆候は、
発熱の遷延と白血球と血小板の低下で、
小さなお子さんの場合、
必要性が低ければ採血はすぐにはしませんから、
実際には別箇の感染症として、
デング熱の診断には至らない事例が、
多いのではないかと推察されます。

つまり、現行の年齢分布はあまり当てにはなりません。

皮疹は多い兆候ではあるのですが、
全例で認められる、というものではなく、
その出現の仕方も非常に多彩です。

僕が実際に診察した事例では、
全身の軽い発赤と風疹様の淡い湿疹でしたが、
テレビなどで報道されたテレビ局のレポーターの事例では、
全身が赤く腫れるような皮膚変化が強く、
蚊に刺された部位の周辺のみ、
発赤が少ないという、特徴的な所見を呈していました。
ただ、それ以外にも蕁麻疹様の皮疹や発赤が、
下肢のみに見られているケースもあり、
蕁麻疹のみというケースもあります。

従って、皮疹が症状発現数日後に出現することは、
デング熱の特徴の1つではありますが、
皮疹の性質でその可能性の高低を判断したり、
皮疹がないから否定的と考えることは、
出来ないように思います。

今のところ重症事例はない、という公式発表ですが、
血球貪食症候群の疑われるような、
高度の血球減少を伴って、
症状の遷延した事例の報告もありましたので、
現時点でも決して経過を楽観視することは、
危険なように思います。

症状は典型的な事例においては、
腹痛と下痢、目の奥に強い頭痛は、
比較的多い兆候で、
そのため当初はウイルス性腸炎と、
判断された事例も多かったようです。

平均の潜伏期間は短くて3日、
概ね7日くらいが多く9日を超える事例は稀のようです。

今日はデング熱関連の情報を補足的にお届けしました。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。

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よろしくお願いします。

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