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糖尿病における性腺機能低下症について [医療のトピック]

こんにちは。
六号通り診療所の石原です。

今日は水曜日なので、
診療は午前中で終わり、
午後は別箇の仕事とレセプト作業の予定です。

それでは今日の話題です。

今日はこちら。
1型糖尿病の性腺機能低下症の頻度.jpg
先月のJ Clin Endocrinol Metab誌に掲載された、
1型糖尿病の男性における、
性腺機能低下症の頻度についての論文です。

糖尿病には1型糖尿病と2型糖尿病とがあります。
インスリンの高度の欠乏が、
多くは小児期に起こって、
そのためインスリンの自己注射を継続する必要があるのが、
1型糖尿病で、
肥満や過食と体質とが複合的に影響して、
インスリン抵抗性とインスリン分泌不全の両方が見られるのが、
多くは中年以降に発症する2型糖尿病です。

この2型糖尿病においては、
男性の性欲減退が、
症状の1つとして教科書には記載されています。

この性欲減退の原因には、
2つの可能性が指摘されています。
その1つは糖尿病性神経障害によって、
勃起などのペニスの機能が低下することで、
もう1つは男性ホルモンの分泌が低下することです。

この男性ホルモンの低下については、
主に2型糖尿病において、
複数の疫学データによりほぼ事実として認識されています。

しかし、1型糖尿病については、
極めて少数の限定された報告しかありません。

そこで今回の文献では、
アメリカにおける1型糖尿病の疫学研究のデータを活用して、
血液の男性ホルモンの数値と、
1型糖尿病との関連性を検証しています。

対象者は1型糖尿病の男性の患者さん、
トータル641名で、
平均年齢は51歳です。
1型糖尿病の疫学データとしては、
非常に事例の多いものだと思います。

その結果、男性ホルモンの低下の指標としている、
血液の総テストステロン300mg/dL未満であったのは、
全体の9.5%に当たる61名で、
男性ホルモンの低下と関連があったのは、
肥満と年齢と高血圧とインスリン抵抗性でした。

コントロールがないので、
データとしては不充分なものですが、
これまでの2型糖尿病の疫学データと比較すると、
男性ホルモンの低下した患者さんの比率は低く、
1型糖尿病では2型糖尿病のような性腺機能低下症は、
来さない可能性が高いと考えられました。

肥満やインスリン抵抗性との関連は、
2型糖尿病でも指摘されていて、
おそらくは脂肪細胞において、
男性ホルモンが女性ホルモンへと変換される比率が増え、
それが性腺機能低下症の主因となっている可能性が高いと考えられます。

従って、
2型糖尿病で性欲減退のある患者さんへのアドバイスとしては、
内臓脂肪の増加のある人では、
まずは体重を適正に減量することが、
性欲減退の治療にも結び付く可能性がある、
ということではないかと思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。

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