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フィリップ・ジャルスキー&ヴェニス・バロック・オーケストラ [音楽]

こんにちは。
六号通り診療所の石原です。

今日は祝日で診療所は休診です。
具合が悪いので1日寝ているつもりでしたが、
朝から呼び出しが掛かりました。
もう何もなければ良いのですが…

休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
ジャルスキー.jpg
カウンターテナーの新鋭フィリップ・ジャルスキーが、
古楽オケのヴェニス・バロック・オーケストラとジョイントしたリサイタルが、
先日新宿のオペラシティで行なわれました。

ヘンデルとポルポラが、
カストラート歌手である、
ファリネッリとカレスティーニのために作曲した、
難易度の高いアリアばかりを、
これでもかとばかりに並べたプログラムで、
意欲的で結構興奮させられました。

カストラートは初期のオペラにおいて、
名声を博した去勢歌手で、
その後こうした独特の声と技巧による曲芸的な歌唱が、
男女の歌手の自然な音域の声と、
自然な人間のドラマへと移行したために、
カストラートの技巧は忘れられた存在になりました。

ただ、カストラート歌手の歌声や技巧を、
もう一度聴きたいという思いも根強くあり、
かつてのカストラートのアリアを復活させるような試みも、
近年行なわれるようになりました。

カストラートの歌は、
今ではメゾ・ソプラノもしくはカウンターテナーが、
挑戦することが多いのですが、
メゾ・ソプラノはその音色が、
透明感には乏しくてカストラートとは違いがありますし、
カウンターテナーは透き通った声は良いのですが、
どうしても声量がないので、
オペラ歌手の歌としては、
迫力不足の点が否めません。
つまり、一長一短なのです。

今回のフィリップ・ジャルスキーはカウンターテナーで、
透明感のある美しい声と、
非常に多彩な技巧が特徴で、
歌い方の1つ1つに工夫があるので、
聴いていて飽きることがありません。

ただ、声量は矢張りなくて、
声があまり前には飛ばないので、
その点の不満は残ります。

従って、全ての歌が良いとは言えないのですが、
ヘンデルの「アルチーナ」のアリアや、
ラストの滅多に聴けないポルポラの「ポリフェーモ」のアリアは、
絢爛たる技巧を存分に駆使して、
力押しの部分もかなり踏ん張っていたので、
バロック・アリアの魅力を、
心ゆくまで味わうことが出来ました。

ヴェニス・バロック・オーケストラの繊細で歌手を盛り立てた演奏も、
素晴らしかったと思います。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんは良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。
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Licca

お加減はいかがでしょうか。
どうぞご自愛くださいませ。
by Licca (2014-04-30 06:48) 

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