アントニーノ・シラグーザ リサイタル2013 [コロラトゥーラ]
こんにちは。
六号通り診療所の石原です。
今日は祝日で診療所は休診です。
朝からいつものように駒沢公園まで走りに行って、
それから今PCに向かっています。
これからまた在宅診療に出掛けます。
休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
軽い声の技巧派のテノール、
イタリアのアントニーノ・シラグーザのリサイタルが、
先週東京で行なわれました。
彼のリサイタルは、
その誠実な舞台態度とサービス精神で、
一度聴いた人は皆ファンになります。
ただ、最近は声の調子の悪いことも多く、
明らかに不調なのに、
目いっぱいの笑顔でサービスをする姿は、
痛々しい感じで切なく胸が痛みます。
前回の来日は2011年で、
多くの歌手が震災の影響で来日を取り止める中、
いつものように来日してリサイタルを開き、
「セビリアの理髪師」を歌い、
おそらくは予定通りのドタキャンをした、
フローレスの代わりに、
急遽「清教徒」も1日歌う、
という活躍ぶりでしたが、
お風邪もあって絶不調で、
大変辛い思いが残りました。
今回のリサイタルも、
そのお声の調子だけが心配でしたが、
まずまずの調子で本当にホッとしましたし、
相変わらずの真摯な舞台姿と、
抜群のサービス精神には、
非常に充実した時間を過ごすことが出来ました。
シラグーザは元々軽い声の技巧派のテノールで、
コロラトゥーラなどの装飾歌唱と、
天空を切り裂くような超高音が、
その最大の魅力でしたが、
今回のリサイタルでは、
アジリタを堪能出来るような曲はなく、
もう少し重い声の歌が、
主体となっていました。
ただ、
アンコールで「セビリアの理髪師」から、
得意の弾き語りの小品のアリアを歌いましたが、
これが一服の清涼剤のような素晴らしさで、
重い声のアリアより、
やっぱりこれだよね、
というような思いを強く感じました。
勿論レパートリーは変わる必然性もあり、
キャリアと共に声も変わって行くのだと思いますから、
ファンとしては見守るしかないのですが、
1曲はアジリタ全開を聴きたかったな、
というのが正直なところです。
今回の楽曲の中では、
「椿姫」の2幕のテノールのアリアが、
もっと雑に力押しで歌われるのを、
さんざん聴いていたので、
シラグーザの繊細な歌で、
高音も付加して歌われると、
なるほどこれはこういう曲だったのか、
と気付かされるようなところがあって、
非常に新鮮に感じました。
彼がオペラでこの役を歌うことはないと思いますから、
こういうのもリサイタルの魅力です。
また是非オペラでの、
素晴らしい歌声も聴かせて欲しいと思います。
シラグーザの健在ぶりに、
心の浮き立つ一夜でした。
それでは今日はこのくらいで。
皆さんも良い休日をお過ごし下さい。
石原がお送りしました。
六号通り診療所の石原です。
今日は祝日で診療所は休診です。
朝からいつものように駒沢公園まで走りに行って、
それから今PCに向かっています。
これからまた在宅診療に出掛けます。
休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
軽い声の技巧派のテノール、
イタリアのアントニーノ・シラグーザのリサイタルが、
先週東京で行なわれました。
彼のリサイタルは、
その誠実な舞台態度とサービス精神で、
一度聴いた人は皆ファンになります。
ただ、最近は声の調子の悪いことも多く、
明らかに不調なのに、
目いっぱいの笑顔でサービスをする姿は、
痛々しい感じで切なく胸が痛みます。
前回の来日は2011年で、
多くの歌手が震災の影響で来日を取り止める中、
いつものように来日してリサイタルを開き、
「セビリアの理髪師」を歌い、
おそらくは予定通りのドタキャンをした、
フローレスの代わりに、
急遽「清教徒」も1日歌う、
という活躍ぶりでしたが、
お風邪もあって絶不調で、
大変辛い思いが残りました。
今回のリサイタルも、
そのお声の調子だけが心配でしたが、
まずまずの調子で本当にホッとしましたし、
相変わらずの真摯な舞台姿と、
抜群のサービス精神には、
非常に充実した時間を過ごすことが出来ました。
シラグーザは元々軽い声の技巧派のテノールで、
コロラトゥーラなどの装飾歌唱と、
天空を切り裂くような超高音が、
その最大の魅力でしたが、
今回のリサイタルでは、
アジリタを堪能出来るような曲はなく、
もう少し重い声の歌が、
主体となっていました。
ただ、
アンコールで「セビリアの理髪師」から、
得意の弾き語りの小品のアリアを歌いましたが、
これが一服の清涼剤のような素晴らしさで、
重い声のアリアより、
やっぱりこれだよね、
というような思いを強く感じました。
勿論レパートリーは変わる必然性もあり、
キャリアと共に声も変わって行くのだと思いますから、
ファンとしては見守るしかないのですが、
1曲はアジリタ全開を聴きたかったな、
というのが正直なところです。
今回の楽曲の中では、
「椿姫」の2幕のテノールのアリアが、
もっと雑に力押しで歌われるのを、
さんざん聴いていたので、
シラグーザの繊細な歌で、
高音も付加して歌われると、
なるほどこれはこういう曲だったのか、
と気付かされるようなところがあって、
非常に新鮮に感じました。
彼がオペラでこの役を歌うことはないと思いますから、
こういうのもリサイタルの魅力です。
また是非オペラでの、
素晴らしい歌声も聴かせて欲しいと思います。
シラグーザの健在ぶりに、
心の浮き立つ一夜でした。
それでは今日はこのくらいで。
皆さんも良い休日をお過ごし下さい。
石原がお送りしました。
2013-07-15 06:47
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お薬に大変詳しい先生のホームページ毎回勉強させて頂いています。お薬のことでお聞きしたいことがあり書き込みさせて頂きました。不眠でマイナートランキライザーのデパスを寝る前に1錠飲んでいます。0.5mgですが月30錠服用していることになります。今のところよく聞いていますが、このまま続けると効かなくなりますか?もし効かなくなるのであれば、月何錠くらいに抑えれば効き目を維持できますでしょうか?また、心因性の吐き気に有効な西洋薬はどのようなものになりますでしょうか?プリンペランを飲んでいますが、いまひとつなんです。
by 石井雅之 (2013-07-15 17:23)
石井さんへ
必ずしもすべての方で、
常用により効果が減弱する、
ということではなく、
かなり個人差の大きな部分があると思います。
一般論ではまず睡眠の状態を安定させるのが先決なので、
毎日服用していれば快調であれば、
その状態を3ヶ月程度は維持し、
それから様子を見て、
1日おきにするなど、
減量を図るのが良いのではないかと思います。
吐き気に特効薬はないと思いますが、
ナウゼリンやガスモチンも、
試してみて悪くはないと思います。
by fujiki (2013-07-16 08:23)
先生お返事ありがとうございます。
先生のブログでもデパスは依存性が高く、極力使わないとのことですが、毎日1錠ずつ飲むことに対する依存、耐性の不安があります。今の段階でよく効いてくれているので、耐性がついて効かなくなってしまうとても困るのです。このまま3ヶ月服用しても大丈夫でしょうか?
by 石井雅之 (2013-07-18 11:00)
石井さんへ
確実に耐性がつかないとは、
勿論言えません。
ただ、効果が安定していれば、
薬を変えることの方が、
むしろリスクは高いかも知れません。
最終的には主治医の先生と良くご相談の上、
決めて頂くのが良いと思います。
by fujiki (2013-07-19 08:16)
先生、お返事ありがとうございます。
主治医に色々相談してみようと思います。最後にもう一つだけ質問させてください。先生がブログでソラナックス、レスタス、メイラックスなどの長時間作用する薬を使うとおっしゃっていましたが、私もデパスからそれらの薬に変えてもらった方が良さそうでしょうか?デパスくらい効果があり、かつ依存、耐性がつきにくい薬があれば試して見たいと思ってます。
by 石井雅之 (2013-07-19 09:05)
石井さんへ
基本的にベンゾはほぼ同じと考えた方が良いので、
デパスが合っているようであれば、
継続でも良いと思いますが、
メイラックスやレスタスへの変更で、
同様の効果が得られるようであれば、
薬の止め易さは、
そちらの方が少し良いかも知れません。
by fujiki (2013-07-20 08:15)
最後と言いつつまたお伺いしてすみません。自分なりにベンゾジアゼピンの依存と離脱症状について調べて見ました。多くの方が減薬、断薬の際、離脱症状に苦しめられていると知りました。ひどい方だと自殺未遂をしてる方すらいらっしゃいました。これがベンゾジアゼピン離脱症状の現実なのでしょうか。この現実を知ると怖くてベンゾジアゼピンの薬を飲む気になれません。かといって飲まないと生活に支障が出る。一体どうすればいいのでしょう。医師の管理のもと症状が収まった時に安全に断薬ができるのであれば安心して抗不安薬を飲めるのですが。先生のご意見お聞かせください。
by 石井雅之 (2013-07-22 12:55)