SSブログ

前田司郎「いやむしろ忘れて草」 [演劇]

こんにちは。
六号通り診療所の石原です。

今日は日曜日で診療所は休診ですが、
朝から駒沢公園まで走りに行って
(先週から再開しました)、
まだ腕立ては手首に負荷が掛かるので、
止めて腹筋などだけして、
それから在宅診療に行って処置をして、
診療所にちょっと寄って、
今戻って来たら、
診療所に携帯を忘れて来てしまったので、
これからまた取りに行かないといけません。

忙しいのに、
馬鹿なので無駄に時間を使っています。
これを書いたら再び出掛けます。

疲れました。

休みの日は趣味の話題です。

今日はこちら。
いやむしろ忘れて草.jpg
五反田団という劇団を率いて、
作演出を行ない、
小説家としても進境著しい、前田司郎が、
2004年に劇団で初演し、
2007年には再演した同劇団の代表作の1つを、
満島ひかり、伊藤歩、福田麻由子、菊池亜希子という、
若手の映像で活躍する女優さんをずらりと揃えて、
企画物として本日まで、
青山円形劇場で上演中です。
演出も勿論前田司郎です。

前田司郎は青年団の平田オリザと近く、
そのグループの作品は、
僕はそれほど興味がないのと、
東大コンプレックスなので、
駒場アゴラ劇場という、
東大のすぐそばの劇場には、
なるべく近寄りたくないので、
これまであまり観たことがありません。

ただ、今回の作品は、
非常に面白かったですし、
福田麻由子さんは、
あの意地悪そうなところが、
とても好きなので、
彼女の芝居を間近で観られただけで、
幸せでした。

以下ネタバレを含む感想です。

作品は若草物語にインスパイアされた、
4人姉妹の物語で、
その長女が菊池亜希子で、
次女が伊藤歩、
病気で入退院を繰り返し、
殆どベッドを離れることのない三女に満島ひかり、
そして四女に福田麻由子という布陣で、
青年団の志賀廣太郎が、
父親を演じます。

父親は八百屋の店主ですが、
4姉妹の母親であるその妻は、
もう早くに家を出ているようです。

長女は家を手伝い、
次女と四女は家を出ているのですが、
父親が病に倒れ、
店も閉めることになります。

病気の三女を養うために、
長女が家に残って仕事をし、
父親と妹を支える決断をするのですが、
実際には長女にあまり生活力はなく、
家族は非常にギリギリのところで、
それぞれの決断を迫られています。

物語は主に入院中の三女を、
家族が見舞いに訪れる時の様子が、
主軸になり、
三女が病室で1人になると、
時間はまだ4人が子供だった時代に、
何度か戻り、
最後も過去の他愛のない、
家族のスケッチで終わりになります。

1時間20分ほどの短い作品で、
ぼんやり見ていると、
作品の構造を把握し切れないままに、
すぐに終わってしまいます。

主人公は舞台上で殆ど動かない三女で、
彼女の死や将来への不安や、
家族に負担を強いる自分への切なさが、
意識の流れのような手法で、
時間軸を移動しながら縦横に描かれるのですが、
一番大事な部分は台詞という形では、
言語化はされません。
この辺りが平田オリザや岩松了の作劇に、
似通った方法論です。

従って、
短い上演時間ですが、
その作者の意図を十全に感じるには、
観客にもかなりの緊張が必要です。
1時間20分という上演時間は、
その意味ではギリギリのところなのかも知れません。

父親が購入した、
邪魔なだけのような角材の用途が、
後半に判明した時の、
胸を突かれるような切なさなどは、
凡手ではありません。

ただ、
たとえば入院している隣室の女性が、
後半に死んでしまうのですが、
それを最後まで明確に台詞にせず、
向い合う三女と死んだ女性の夫との間の、
長い沈黙の場面など、
ここまで不親切にしなくてもな、
と思わなくもありません。

舞台に不慣れなメンバーなので、
オープニングの三女と四女との遣り取りなどは、
かなり厳しい感じがありましたが、
その後はどうにか締まるべきところは締まり、
トータルにはうまくまとめていたと思います。

初演から同じ役を演じている、
志賀廣太郎は、
僕は最初に青年団の舞台で、
そのバスバリトンの声を聞いた時に、
ちょっとショッキングなほどのインパクトを感じたのですが、
その後映像出演も増え、
舞台役者としては、
正直凡庸になったな、
という感じが否めませんでした。
そのかつての魔的な声は、
今回はただの低い声にしか感じませんでした。

満島ひかりは、
未熟さは勿論ありますが、
ほぼスッピンにボサボサの髪で、
かなりアルに病弱の少女を演じ、
その没入感には魅力がありましたし、
肉体的にも状況的にも心理的にも、
多層的に死と生とのギリギリの境目に立つ、
三女の面影を観客に強く印象付けたと思います。

それでは今日はこのくらいで。

また診療所に戻らなくては…

皆さんは良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。
nice!(18)  コメント(2)  トラックバック(0) 

nice! 18

コメント 2

yuuri37

私はお昼を食べたレストランに眼鏡を忘れて、片道1間かけて取りに行き、さっき戻ってきました。バカな自分に腹が立つ。貴重な時間を無駄にしました。これからワンコと散歩に行くか、机に向かうか。どっちにしようかなあ。
忘れ物しなければ両方できたのに・・・
by yuuri37 (2013-05-26 18:43) 

fujiki

yuuri37 さんへ
コメントありがとうございます。
まあそんなものですね。
忘れ物をしながら、
頑張れる範囲で頑張れればと思います。
by fujiki (2013-05-27 08:10) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0